リハビリ場面の会話で役立つバックトラッキングというコミュニケーションスキル

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あなたは患者さんとの会話で、どのような返答をすべきか困る事はないだろうか。

例えば、苦しみ・辛さ、悲しみなどについて語られた時、同じ話繰り返す時、声が小さいなどで何を言っているのか聞き取りにくい時などである。

この記事では、そんなリハビリ場面の会話で困ったときに役立つコミュニケーションスキルであるバックトラッキングというものを紹介します。

会話が円滑に進むだけでなく、信頼関係構築にも効果的です。是非とも知っておいてください。

バックトラッキングとは

466654 / Pixabay

別名、ウム返しと呼ばれるコミュニケーションスキルで、会話しているしている相手の言ったことをそのまま言い返したり・要約して言う事です。

これによって「話を聞いてもらっている、理解してくれている」という感覚になり、会話が円滑に、信頼関係も構築出来るようになるとされています。

私は、コミュニケーションスキルにおいて最も簡単に使えるものだと感じています。めちゃ簡単。

バックトラッキングする内容は3つが対象になっています。

  1. 言葉そのもの
  2. 感情
  3. 話の要約

それぞれを見ていきましょう。

1.言葉そのもの

相手が話した言葉を、そのままの言葉で返します

  • 患者さん「最近リハビリを頑張ってるおかげか、かなり歩けるようになってきました!」
  • 療法士「そうですね、歩けるようになってきましたね!」

上記太文字の部分のように、そのままの言葉で返します。

  • 患者さん「筋トレ頑張ってるんですが、なかなか効果が出なくて辛いんです…」
  • 療法士「そうですか、筋トレを頑張ってるのに効果が出なくて辛いんですね…」

少し大胆に見えるかもしれませんが、文章をそのままにバックトラッキングしてしまうのも有効な手段です。「そんなのウザいでしょ!?」と思うかもしれませんが、バックトラッキングされている方は意外と気付きません。むしろ、話を聞いてもらってる感がすごく出て、嬉しい気持ちになってきます。

注意点は2つあります。

1-1.ネガティブな内容はバックトラッキングしすぎない

バックトラッキングは話している内容を受け止めて認めるという作用がありますので、ネガティブな内容には注意が必要です。多用することで、強化されてしまいます。

  • あぁ…全然リハビリが進まない
  • あぁ…全然膝が曲がらない

という気持ちを助長しないように気をつけましょう。私は、共感を示す必要がある時にだけ使うようにしています。

となると、ポジティブな内容はどんどん強化していきたいので、バックトラッキングは多用すべきですね。

1-2.アレンジしてバックトラッキングしない

そのままの言葉で返すことがポイントになります。

ついつい自分なりの言葉に置き換えてしまいたくなりますが、そうなると効果は半減…どころか逆効果で「ちゃんと話を聞いてもらってない!理解してくれない!」となります。

  • 患者さん「最近リハビリで膝がすっと曲がるようになってきたんですよ!」
  • 療法士「膝が軽く曲がるようになってきたんですね!」

いやいやいや!「軽く」じゃないんです「すっと」曲がるようになってるんです!これ全然違いますよ!なんでわかってくれないの!?と、かなり違いがあります。間違ったバックトラッキングを繰り返されると本当にストレスが溜まります…気を付けてください。(もし私と会うことがあれば、間違ったバックトラッキングの不快感を実技でやってみましょう、すごいですよ…)

ちなみに冒頭で述べている下記のような状態では非常に便利なスキルです。

  • 同じ話繰り返す時
  • 声が小さいなどで何を言っているのか聞き取りにくい時

自分がバックトラッキングをしようと思った言葉だけを言うだけでよいので、非常に楽です。コミュニケーション能力が高い人は、場合によってはバックトラッキングしかしていません…めっちゃ喋っているのに自分のことは喋ってないのです。これはすごい技術です。

2.感情

会話の内容から感情を読み取り、言葉で表現する

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  • 患者さん「最近めちゃめちゃ歩けるようになってきたんですよ!」
  • 療法士「そうなんですか、それは嬉しいですね!

患者さんの経過、表情、言い方などから「きっと嬉しいはずだ!」と感情を予測して、その感情を言葉で表現するようにしてみてください。なかなか言葉のように簡単にバックトラッキング出来るものではありませんが、注意深く観察していると意外と分かるものです。もし自信がなければ、疑問形にして聞いてみてください。

  • 患者さん「最近めちゃめちゃ歩けるようになってきたんですよ!」
  • 療法士「そうなんですか、それは嬉しいですよね?!
  • 患者さん「そりゃ嬉しいに決まってるじゃないですか!」

こんな具合で、確認しながら進めていくと、感情を読み取るテクニックがレベルアップしていきます。

感情をオウム返しすることは、言葉のオウム返しよりも効果的であるように感じます。だって、言葉にしていないのに理解してくれているのですから「えっ、気付いてもらえていたの!?」という体験で、びっくりします。信頼関係を築く際にはかなり有効です。

こちらも言葉をそのまま返す事と同様に、ネガティブな内容は拾いすぎないように注意したいものです。

3.話の要約

話の内容を要約して相手に伝える

まとまりのない話だったり、うだうだとした愚痴・不満・不安などは長々と続いてしまうものです。そこでは言葉を繰り返すだけではなかなか安心してもらえません。そこで、聴いてまとめる、というバックトラッキングが必要になってきます。例が下記のようなものです。

  • 患者さん「昨日からふくらはぎがすごく痛くて、なんだかリハビリしすぎたんじゃないかな…とか思うんです。でも、リハビリやらないと体は良くならないのは分かってるし、自分でシップとか貼っていいかもわからなくて、どうしたらいいのか、リハビリ休んでしまいたいし…」
  • 療法士「そうですか、昨日からふくらはぎが痛いのですね。それはつらいですね…そして、痛みの対処方法に悩んでいるのですね…」

ポイントとしては、感情のバックトラッキングや言葉のバックトラッキングも上手く交えながら行うことです。より一層理解していることを表現することが出来ます。

私の経験としては、ネガティブな内容ほど要約のバックトラッキングを使った方が良い傾向があると感じています。ポジティブな内容は言葉や感情で共感を表現出来ることが多いためです。

いやいや、それにしても…概して、女性が長々と彼氏に不満などを話している時は対処法などの解決策を聞きたいわけではありません。ただ、聴いて欲しいものなのです。「うんうん、つまり……だよね」とバックトラッキングしていけばよいものなのです。男性諸君は気をつけましょう。

バックトラッキングを実践する

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さて、このバックトラッキングを実践していかなければなりませんが、慣れないと簡単なのに難しい。

1.言葉そのもの

まずは相手の発言の最後の一言をオウム返しするクセからつけましょう。

  • 相手「昨日、アメトーークの甘いもの食べちゃう芸人見た?」
  • あなた「見た見た!甘いもの食べちゃう芸人でしょ!」

と。文章にすると違和感がすごいかもしれませんが、会話でやってみるとそんなに違和感はありません。

2.感情

まずは感情を探索することから始めましょう。嬉しい?悲しい?楽しい?つらい?勇気が出た?などです。

そして、自信があるときは「今、嬉しいですよね!(?)」と、やや疑問形を交えながら聞いてみるようにしてみてください。感情を聞かれて嫌な人はいませんので、きっと答えてくれるはずです。

それを繰り返すうちに、だんだんとあたりが良くなってきます。自信がかなりついてきたら「そうですか~それは嬉しいですね!(!)」と断定を使っていきましょう。

3.話の要約

これは言葉と感情のバックトラッキングが慣れてから使うようにしましょう。要約して話す内容には言葉も感情も含まれていますので。簡単な会話ならすぐに要約出来るものですが、複雑な患者さんの心理となると難しいものもあります。

でも、相手の感情を考えて話を聞いていくと実は見えてくるものです。相手が何を考えているのか、どう感じているのかを考えながら会話をしてみましょう。

おわりに

geralt / Pixabay

コミュニケーションスキルについて学んでいくと「これさえやってれば、コミュニケーションなんて簡単じゃん!」という幻想憑りつかれてしまう時があります。しかし、どんなコミュニケーションスキルを使っていても、上手くいく時はいきますし、そうでない時はダメです。必ず効果判定を行いながらスキルを使うようにしましょう。

また、コミュニケーションスキルを使うためにコミュニケーションをすることなんてご法度です!コミュニケーションをしっかりとって、信頼関係を構築して、リハ効果を高めたり患者満足度を高めたり…そのためにスキルがあります。

スキルを上手に使うためには経験と集中力がかなり必要です、粘り強くコミュニケーションをマスターしていきましょう!

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