リハ栄養アセスメント、9つの身体計測について

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リハ栄養の対象者は低栄養状態の人が主になります。その程度や有無はアルブミンなどの検査値だけで判断すると思われがちですが、身体計測も重要なアセスメントになります。この記事では身体計測の方法について紹介します。療法士は採血などを実際に行うことが出来ませんが、身体計測ならば簡便にいつでも行えます。是非ともリハ栄養に関わる療法士には知っておいて欲しい内容です。

体重から算出

①BMI:Body mass index

体重(kg)÷身長(m2

どのような肥満度かを簡便に評価することが出来るため、栄養状態を継続的に評価するか否かの基準として用いることが出来ます。筆者の勤める病院ではひとまずBMI22未満を栄養カンファレンスの議題として挙げ、継続してフォローしています。肥満基準は下記の通りです。

低体重 18.5未満
普通体重 18.5以上、25未満
肥満(1度) 25以上、30未満
肥満(2度) 30以上、35未満
肥満(3度) 35以上、40未満
肥満(4度) 40以上

②通常体重

22×m×m =通常体重

通常体重とはその人の体格で望ましい体重のことです。最も健康的な生活が出来るとも言われています。

これは望ましいBMI=22を基に計算します。

  • 160cmの人であれば『22×1.6×1.6=56kg』
  • 170cmの人であれば『22×1.7×1.7=63kg』

となります。

ちなみにBMI22が最も健康的というわけではありません。死亡率だけを見ると24~27.9が最も低いというデータがあります。そのため22を一つの目安として…と現状のデータからは考えた方が良いでしょう。

③体重減少率

(通常体重-現体重)÷通常体重×100

入院した時には十分な体重があってもopeやリハビリ介入により体重減少を呈する患者さんは少なくありません。また、体重が通常体重以上を維持できていたとしても、著明な体重減少は低栄養を疑う必要があります。中等度以上の栄養障害を疑う場合は、以下のような状態です。

1週間 2%以上
1ヵ月 5%以上
3ヵ月 7.5%以上
6ヵ月 10%以上

④通常体重比

現体重÷通常体重×100

こちらの算出方法によっても体重をモニタリングしておく必要があります。BMIや体重減少率と一緒に管理するようにしましょう。

85~95% 軽度栄養障害
75~85% 中等度栄養障害
~74% 高度栄養障害

楽な管理のために

これらの数値を常に計算するのは煩雑なものです。エクセルなどの自動計算してくれるものを作ってしまい、体重や身長を入力するだけで算出出来るようにしてみてください。最初作るときは少し大変ですが、その後はすごく楽になります。

間接的評価

ここからはメジャーなどを用いて実際に体の周径などを評価する方法になります。日々患者さんの体に触れる療法士にとっては最も身近に行える評価方法であります。実際に筆者の働く病院では下記の間接的評価は療法士が担当することになっています。また下記は略語でやりとりすることが多いため、覚えてしまいましょう。「ACとTSFを計測しておいてね~!」という具合です。

⑤上腕周囲長:AC

腕の太さを計測します。体脂肪量+筋肉量の指標として活用することが出来ます。慢性的な栄養不良の場合には筋肉と体脂肪の減少は血液データの変化よりも先に生じるため、見えていない栄養不良を察知することが出来ます。

非利き手の上腕に対し、お腹の上に乗せるように内側へ曲げましょう。

肩峰と尺骨肘頭の中点を見つけます。

p_20161203_170818

そこで周径を測ってください。

p_20161203_170806

ACの基準値は次のようになっています。

男性 平均 標準偏差 女性 平均 標準偏差
~30歳 27.52 3.12 24.67 2.53
31~40 28.42 2.85 25.19 2.73
41~50 27.90 2.73 26.18 2.85
51~60 27.00 2.70 25.76 3.29
61歳~ 26.56 2.96 25.33 3.33
27.23 2.98 25.28 3.05

(栄養に活かす!栄養療法はじめの一歩、より)

⑥上腕三等筋皮下脂肪厚:TSF

こちらは皮下脂肪量の測定です。上腕三頭筋皮下脂肪厚は体脂肪全体との相関があるため、簡易に把握出来ます。また体脂肪=エネルギー貯蔵量として考えることで、運動処方にも役立ちます。

皮下脂肪はキャリパーと呼ばれる器具で測ります、このようなものです。

p_20161203_171125

先ほどの上腕の中点の皮下脂肪のみを掴み、挟むように測ってみましょう。

p_20161203_170747

誤って筋肉を挟み込まないように、掴みましょう。慣れるまで数回練習してください。

TSFの基準値は次のようになっています。

男性 平均 標準偏差 女性 平均 標準偏差
~30歳 12.11 6.52 14.98 7.00
31~40 13.03 5.94 15.79 7.06
41~50 11.96 5.09 16.51 7.20
51~60 10.69 5.41 15.88 7.41
61歳~ 10.52 4.66 16.76 7.27
11.36 5.42 16.07  7.21

(栄養に活かす!栄養療法はじめの一歩、より)

⑦下腿周囲長:CC

麻痺などがない下腿の最も太い部分の周径です。

⑤~⑦の基準値

それぞれの基準値は年齢によって異なります。

日本栄養アセスメント研究会が一覧表を作成していますので、そちらを参考にしてください。

⑧上腕筋囲:AMC

AC-TSF×3.14

ACとともに、筋蛋白量消耗の程度をモニタリングすることが出来る。

基準値は下記のようになります。

男性 平均 標準偏差 女性 平均 標準偏差
~30歳 23.37 2.78 19.95 2.59
31~40 24.33 2.73 20.27 2.40
41~50 24.13 2.66 20.99 2.38
51~60 23.65 2.55 20.84 2.57
61歳~ 23.27 2.78 20.09 2.56
23.67 2.76 20.25 2.56

(栄養に活かす!栄養療法はじめの一歩、より)

⑨上腕筋面積:AMA

AMC÷(4×3.14)

こちらも筋蛋白消耗をモニタリングすることが出来ます。

AMC,AMAともに、経過を見て状態をチェックしていくことが必要です。

ちなみにAMAの方が正確な筋肉量を反映するという報告があります。

おわりに

慣れない計測には時間がかかるものです。療法士であれば学生時代はROM測定も時間がかかったと思います。栄養アセスメントでは計算が必要なものもあるため、面倒だと思うかもしれませんが、慣れれば簡単なものです。是非とも栄養状態ってどうかな?ちょっとみてみようかな?という観点から計測を始めてみてください。

↓の本は基準値を参考させていただきました。良書です。

 

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