この記事ではFIMにおける「食事」の項目について、採点方法と実例を紹介します。ST・OTさんは詳しい分野だと思いますが、PTさんは苦手な人も多いでしょう。復習がてら参考にしてくださいね!
定義
FIMにおける食事の定義とは【食事が適切に用意された状態で、適当な食器を使って食物を口に運ぶ動作から、咀嚼し、嚥下するまで】となっています。
つまり食事で評価するポイントは下記3点になります。
- かき集める
- 口に運ぶ
- 飲み込む
また、間違えやすい下記のポイントも押さえておきましょう。
- 配膳・下膳は含まれない
- 特殊なスプーンや箸などの自助具を使用していれば6点
- きざみ食・嚥下食などの食形態の変更は6点
- 肉を切る・蓋を開ける・エプロンをかける介助は準備扱いとなり5点
採点例
7点
全ての性状の食物を皿から口まで運び、咀嚼・嚥下する
つまり、健常者と同じような食事を同じように食べることが出来ればOKということです。
6点
補助具の使用、時間がかかる、安全性の配慮が要る
この状態に当てはまるのは次のような状態です。
- 自助具を使って自分で食べている
- 食べるのに時間がかかる
- 食物形態に工夫が必要(きざみ食・ペースト食など)
- 経管栄養(経鼻・胃瘻)だが、自分で管理じゅんしている
- 特殊なスプーンや箸などの自助具を使用
ちなみに、好んで「お粥を食べている」場合には7点をつけましょう。
5点
準備や見守りが必要、自助具の装着が必要
この状態に当てはまるのは次のような状態です。
- 肉を切る
- 蓋を開ける
- エプロンをかける
- 配膳後にとろみなどの食形態の変更を行う
- 醤油やふりかけをかけてもらう
- 上手く行えるか見守っている
同じ行為でも、配膳前と後では点数が異なる事がポイントです。
- 配膳前:蓋を開けておく→6点
- 配膳後:配膳されてから蓋を開ける→5点
4~1点
一連の動作の何割を行っているかで決定:参考はこちら
- かき集める
- 口に運ぶ
- 飲み込み
まずは考えやすい、1~3が完全に出来ない場合を考えてみましょう。
- 1つが完全に出来ない=66%は出来る:3点
- 2つが完全に出来ない=33%は出来る:2点
- 3つとも完全に出来ない=0%できる:1点
しかし、現実的には全て出来ない…事よりも、部分的に出来ないことが多いので、その点に注意しながら評価を進めていきましょう。
- 半分をかき集めることが出来る=33%×1/2の減点=77%は出来る:4点
といった具合です。このように考えると採点も簡単ですね。しかし現実的には「どう採点すればいいの?」なんて場合もあります。その一例を示すので、参考にしてください。
- 口腔内の食物残留を指で確認する:4点
- 自助具を装着させ、食物をスプーンに乗せ、口へ運ぶのは自分で行う:3点
- 咀嚼・嚥下は可能だが、口へ運ぶのは全介助:1点(口へ運ぶ事は、咀嚼・嚥下より重視)
- 胃瘻(経鼻チューブ)を自分で管理出来る:6点
- 胃瘻(経鼻チューブ)を介助者が管理してる:1点
- 経口摂取と経管栄養を併用している:経口と経菅の使用頻度による
- 誤嚥しないか見守っている:5点
- 誤嚥する事があり、吸引している:頻度が少なければ4点
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