リハビリで自主トレを継続・定着させる「8つのコツ」を知ろう!

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患者さんへの自主トレ指導とは実は難しいものです。

 

先日のPT-communicationsセミナーで「自主トレを加速させる方法」を講義しました。

セミナーレポート【2017年11月17日:歩行立脚期に対する評価・介入の実際 ~基礎知識からセルフエクササイズ指導まで~】

2017.11.18

 

実際に臨床で遭遇しますよね、自主トレ出来ない患者さん。

  • やろうと思ってたけどねぇ~
  • やらないとダメとは分かってるんだけど…
  • ちゃんとやってるよ、へへへ(実はやってない)
  • え、毎日しないとあかんの?

こんな言葉ってけっこう聞く。

 

どれだけ良い運動方法を指導しても、患者さん自身によって継続してもらわないと意味がありません。

そこで、患者さんが自主トレを継続するためのコツを紹介します。

患者さんの自主トレって何を指す?

自主トレとはその名の通り、患者さん自身によって行うトレーニングのことです。

  • 筋トレする
  • 歩く
  • ストレッチする

セラピストがよく指導するのはこのあたりではないでしょうか?

 

そして具体的な自主トレの内容は「セラピストが患者さんを評価して、その患者さんに合った運動などを自主トレとして決定」していきます。

 

つまり、

Q:どんな自主トレをすれば良いの?

と聞かれたら、

A:人によって異なるので、評価して決めましょう!

と答えることになります。

 

もし後輩や新人さんに聞かれたら、一緒に患者さんを評価して、自主トレ内容を決めてあげてくださいね!

新人さんは先輩に聞いて、一緒に評価してもらって、自主トレ内容を決めてくださいね!

患者さんの自主トレはかなり重要だ!

セラピストってついつい「おれが治すんだ!」と思ってしまいがち。

なので自主トレを指導したことがない…なんてセラピストもいます。

それはかなりもったいないです。

 

もしセラピストがいなくても、自主トレをちゃんと行ってもらえれば…

  • 患者さん自身で心身機能が維持向上させることが出来る
  • 心身機能が維持向上すれば動作能力や活動も維持向上させることが出来る
  • ケガなどの再発予防も出来る

このようにリハビリ効果を高めたり、場合によってはセラピストが不要になることもあります。

わざわざセラピストが関わらなくても良いようになれば、最高ですね!

 

一方、セラピストとじっくりと一緒にリハビリをしていても、自主トレをちゃんと行うと…

  • 必要な身体機能を自分で高めてくれるので、別の訓練に費やす時間を増やせる
  • 興味を持って訓練に取り組んでくれるので、通常のリハビリ効果が高まる

このようなメリットもあります。

訓練効果を高めることも出来ちゃいます!

 

セラピストがいてもいなくても、リハビリ効果を高めてくれる。やっぱり自主トレってすごい大切なのです!

ただし自主トレのやりすぎには注意!

ごくごく稀に遭遇するのが、自主トレをやりすぎる患者さん。

 

「セラピストがこの運動いいよって教えてくれたので!めっちゃ頑張りました!」

と言って、

  • 膝壊れるくらい歩いたり
  • 筋肉張り裂けそうなくらい筋トレしたり
  • 皮膚千切れそうなくらいストレッチしたり

めっちゃ頑張ってくれる人がいます。

 

私の経験では「自分から自主トレを聞いてくる患者さん」「盲目的に信じてしまう患者さん」にこの傾向が強い印象があります。

 

こういう患者さんには「やりすぎると逆効果ですよ!」としっかり伝えた上で、自主トレ指導を行いましょう!

自主トレを定着・継続出来ない患者さんはたくさんいる

すっごい大切だ!という自主トレですが、実際には取り組んでくれない患者さんがたくさんいます。

  • そもそも自主トレをやってくれない
  • 自主トレをやってみたけど定着・継続しない

 

では、その原因は何でしょうか?

  • 患者さんにやる気がないから
  • 患者さんが理解してくれないから
  • 患者さんには伝わらないから
  • 患者さんでは自主トレできないから

このように患者さんの責任にしてしまってないでしょうか?

 

この思考が落とし穴なのです( ゚Д゚)

 

患者さんが自主トレしないのを患者さんの責任にしてしまうと、いつまで経っても自主トレを指導できるセラピストにはなりません。

 

そうではなく、

患者さんが自主トレしないのはセラピストの責任だ!

と考え方を変えてみましょう。

そうすると、解決手段が見えてきます。

自主トレを定着・継続させるコツ

さて、ここからは自主トレ指導のコツを紹介していきます。

ただ、全てのコツがハマるわけではありません。

「この患者さんにはこの観点を持っておこう!」と引き出しを増やすようにしてみてください(*´ω`)

1.効果をしっかりと伝える

頑張っても意味の無いことに努力したい人なんていません。

 

  • 痩せるからダイエットする
  • 筋肉ムキムキになるから筋トレする
  • 爽快な気分になるからマラソンする
  • 健康になるからジョギングする
  • おいしいものを食べれるから高い料理屋に行く
  • 楽しい気分になるからカラオケに行く
  • 痛みがとれるから痛み止めを飲む
  • 糖尿病が悪くならないように食事をコントロールする

 

どれも「効果がある!」と信じているからこそ頑張れるのです。

 

当たり前ですよね?

 

この当たり前を自主トレ指導では忘れていることが多いものです。

 

  • 「スクワットをやっておいてくださいね!」
  • 「タオルギャザーをやっておいてくださいね!」
  • 「ストレッチをやっておいてくださいね!」

こんな指導をすることがありますが、その結果「どんな効果があるか」を伝えていません。

 

  • 「スクワットすれば足の筋力が維持出来て、ずっと杖を使わずに歩けますよ!」
  • 「タオルギャザーで足指を鍛えれば、膝の痛みが2ヶ月後にはかなり減ります!」
  • 「ストレッチを継続することで腰痛予防になります、痛みが出そうな体なので必ず行ってください!」

こんな風に効果をしっかりと伝えるようにしましょう!

 

それだけで「おっ!頑張る価値があるな!」と自主トレ意欲に繋がります!

2.効果を実感してもらう

いくら言葉で説明しても「やっても何の効果もないわぁ…」と感じてしまってはやる気が湧いてきません。

 

こんな経験で努力を継続出来なかったことないですか?

  • ダイエットをしても見た目はそのままだからやる気がなくなっちゃう
  • 筋トレしてもなかなか筋肥大起こさないから気付いたら止めてしまってる
  • マラソンしたら気持ちいいと知ってるけど、慣れるまでが辛すぎる
  • 食事制限したら痩せると知ってるけど、すぐには効果出なくて嫌になっちゃう

 

これと同じことが患者さんでも起こっています。

  • 筋トレしても杖無しで歩ける感じがしない
  • タオルギャザーしても足の安定感が変わらない
  • ストレッチしても痛みがとれてこない

 

そこで、2つの解決策。

解決策1:即時効果を感じてもらう

「この運動を自分でやってみてください!」

と伝える時に、ちょっとでも効果を出すように(そして説明出来るように)してみてください。

  • 「足のここがモリッと固くなってるの分かりますか!?」
  • 「タオルギャザーの後、片足立ちしてみてください!さっきより5秒長く立てましたね!」
  • 「ストレッチの後、ここがすーっとしませんか?これが自主トレでも得られますよ!」

どんなに小さなことでも即時効果を出して、伝えるようにしてみてください。それが患者さんの実感になります。

 

この時気を付けたいのが「そんなの…即時効果なんて出せないよ…」という思いです。

セラピストが「こんなのなぁ…」と思っていることでも、患者さんからすればびっくりすることがたくさんあります。

  • 筋肉がモリッとする

これだけでも「おお!」と思ってくれる患者さんもいます。

セラピストにとっては当たり前のこともいちいち患者さんに伝えてみましょう!

解決策2:数値(データ)にして伝えてみる

効果を出してみるのは一時的なパフォーマンスになることが多いです。

というのも、患者さんが一人でやってみるときには「あれ、セラピストと一緒にやった時とは違うなぁ…」となりがちだからです。

なので自主トレの継続具合や効果を数値にしてみましょう。

  •  筋トレ継続:38日目
  • タオルギャザー5回時間:3分20秒→2分40秒
  • ストレッチ後の長座前屈:-30cm→-20cm

 

改善を見込んでいる患者さんに対しては、効果を数値化して狙っていきましょう!

維持を見込んでいる患者さんに対しては、継続を数値化して狙っていきましょう!

 

患者さん自身が数値にして管理していくと、自主トレ定着がぐいーーっと進みます。

3.自主トレしたくなる環境を作り出す

意外と見逃しがちなのですが、自主トレ環境も大切です。

 

  • 物が多すぎてゴミ屋敷
  • 自主トレ道具は引き出しの奥底に眠り
  • トレーニングウェアはクローゼットの肥やし

このような状態では「ウォーキング行こう!」ってならないですよね。

 

患者さんにおいても

  • 部屋の整理はある程度行っておく
  • 自主トレメニューが書かれた紙を目の届く位置に貼っておく
  • リハビリ時間を「自主トレ可能」なように配慮する
  • リハビリ室や病棟で自主トレ出来る雰囲気を作っておく

このようなアイデアを散りばめて整えるとボディブローのように効いてきます。

もちろんやりすぎて「もう自主トレ嫌だよ…」とならないように気を付けましょう。

4.自主トレメニューは出来るだけ絞り込んで少なくシンプルに決定する

セラピストって自主トレ指導する時に、あれもこれも指導しがち。

だってあれもこれも自主トレした方が、体にとっては良いですからね!

 

でも、患者さんは患者さんの生活を持っています。

そんなにたくさんの自主トレは出来ません。

出来ませんし、そんなにたくさんやりません。

 

私が養成校時代に習ったのは「自主トレは3種類まで!」でした。

ソースは何なのか聞かなかったのですが、「たった3つか!」と衝撃的だったのを今でも覚えています。

 

そして臨床に出て、あれこれ試した結果…

「自主トレは1つ!回数は10回未満からスタート!」というのが私流になりました。

もうね、マジで「いわゆる訓練」みたいなのを患者さんなかなかやってくれない。

やってくれる人は日ごろの訓練から聞いてくれて、勝手にやってくれる。

やってくれない人はこれくらい絞り込んで少なくしないとやってくれません。

 

そして自主トレの方法は可能な限りシンプルにしましょう。

  • ちょっと間違えただけで代償が出てきたり
  • 「あれ?どうだっけ?」と忘れてしまったり

こういうのはダメです。

ほとんどの確率で間違った自主トレに繋がってしまいます。

 

「患者さんがセラピストに説明出来る自主トレメニュー」

くらい、シンプルに落とし込んでいきましょう!

5.生活習慣として生活の一部化させる

私たちって生活の一部になっているものって、めんどくさいけど絶対にやりますよね。

  • 歯磨きする
  • 髭をそる
  • 化粧をする
  • お風呂に入る
  • パジャマに着替える

めんどくさいっちゃーめんどくさいけど、確かにやる。絶対毎日やる。

 

こういう生活習慣レベルまで自主トレを落とし込むと良いです。

 

って「自主トレが生活習慣になるんかい!」と思われそうですが、実際にたくさんいますよね。

  • 朝のジョギングはもはや生活習慣だ!
  • 週に2回のジムは生活として入り込んでいる
  • 夜のストレッチをしないと眠りに付けない体になってしまった

けっこーいます。

 

ちなみに私は夜寝る前にブログの記事を…(省略)

 

さて、患者さんの生活への落とし込み方。

患者さんが必ず「ひとりでやる行為」にトレーニングを結び付けましょう。

  • 起き上がった時に膝の曲げ伸ばしをする
  • 歯磨きの時にスクワットをする
  • 玄関で靴を履いたときに踵上げをする
  • お昼のテレビを見る時に手のストレッチをする

患者さんの行為で使用する体に関連の強い動きを織り交ぜてしまうのが良いでしょう。

6.楽しいに繋げる

患者さんの自主トレが期間限定的なものであれば…

  • 「退院まで自主トレ頑張りましょう!」
  • 「一ヵ月だけ自主トレやりましょう!」

と言えるものです。

これだったら苦痛であっても「期間が決まってるから…!」と我慢して頑張れます。

 

でも、現実はなかなかそうではありません。

 

セラピストが患者さんに求める自主トレって「半永久」的なものが多いのですよね。

そんなものに取り組もうと思ったら、苦痛ともなってたらやってられません。

楽しさを入れていきましょう!

 

  • 運動した後の爽快感がある
  • 運動した後にはすっきりした肉体の自分がイメージできる
  • 運動を続けることで元気で生き生きした自分でいれる
  • 友達と運動している時は楽しくて仕方ない
  • 運動している自分に酔ってしまう
  • 運動そのものが楽しい
  • ゲーム性の高い自主トレを構築する(スポーツとかね)

 

自主トレというと固くなってしまいますが、ようは動いてくれていたらいいわけです。

  • 誰かと遊びながら
  • 買い物しながら
  • 生活しながら
  • スポーツしながら
  • ゲームをしながら

なんでも良いので楽しくなってもらいましょう!

 

特に、患者さんが自宅で自主トレを継続するためにはかなり重要です。

 

出来れば入院している時から、楽しい自主トレを考案しましょう。

だって「患者さんが自主トレをアレンジする」って難しいでしょ?

最初から自宅で出来る楽しい自主トレを仕込んでおきましょう!

7.徹底的に賞賛する

人って誰かに褒めてもらうことってすごく嬉しい。

すごく嬉しいから、褒めてもらえると、さらに頑張れちゃう。

 

そういうもんなんです。

 

患者さんが黙々と努力していることを、しっかりセラピストは賞賛するようにしましょう!

それだけで患者さんの「頑張ろう!」はぐいいいーっと高まります。

 

で、ですね。

これがセラピストめっちゃ苦手。

というのも「セラピストは患者さんの悪いところを治すのだ!」の思考が強すぎるからです。

あれだけICFとか言ってるのに、やっぱり考え方はICIDHになってる。

 

  • 自主トレのこと覚えててくれたんですか!素晴らしい!
  • 自主トレ少しでも出来たんですね!すごい!
  • 昨日サボったけど、今日はやった…!よく乗り越えましたね!
  • 先週一回もしなかったけど、今週から再開してるんですか…自分で調整出来てるんですね!

 

一見「それは賞賛出来ないでしょ!」ということも、どうにだって賞賛出来ます。

 

どんな失敗だって賞賛すること出来ますよ。

  • 失敗ということは新たな学びがありましたね!
  • 辛い気持ちを持った時こそ強くなれますよ!
  • 悲しいですよね、それが強い人間の証拠です!

もはや言ったもの勝ちみたいになってきてます。

 

とにかく「やったこと」はどんな形であっても賞賛するようにしましょう。

 

ちなみに「やらなかったこと」はどうすれば良いですか?というのを聞かれます。

  • 自主トレしなかった
  • 方法が違う
  • うそをつく

こういうのは全て無視です。

注意を向けて何か言わない方が良いです。

これらを踏まえて少しでも取り組んだ(取り組んでみようとした)ところに注目するようにしましょう。

 

参考になるのは応用行動分析学。

この書籍は私があちらこちらで紹介しています、わざわざ東京まで勉強も行きました。

ぜひ

8.自分自身でリハビリすることを当然にする

どこにでもいる患者さんですが、

「リハビリしてもらう」と思っている人は自主トレ出来ません。

だって、患者さんは自分の身体を「治してもらおう」という発想なのですから、自分で頑張ろう!にはならないですよね。

 

ではなくて、

「リハビリは自分でするもの」で

「そのためにセラピストはアドバイスする人」と思ってもらいましょう。

 

この違いって、患者さんの性格やリハビリへの知識によって決定されることもありますが、実は多くは「セラピストの関わり方」によって決定されています。

 

  • 「〇〇さん、リハビリ受けに来てくださいね」
  • 「〇〇さん、リハビリは自分でやって、ぼくたちはアドバイザーですよ」

この言葉やスタンスの違いを一定期間受けていると、確実に患者さんはそっちの方向に流れてしまいます。

 

そして、この患者さんを作ってしまう現象は急性期の時から注意しなければなりません。

というのも急性期では医学的管理が重要視されるために、受動的な医療になることが多いものです。

リハビリにおいても、

  • 安静にしながら
  • 他動運動で関節を動かし
  • 筋トレの負荷量も抑える

なんてことが多いものですから、そうなってしまいますよね。

 

しかし、動ける範囲がどこまで小さくても、自主性を促しながら自主トレを組んでいくことが必要です。

  • ベッドギャッジだけは自主トレの一環とする
  • 寝返りを自主トレとする
  • 目を開け閉めするだけでも自主トレにする
  • 手を開いて閉じてするだけでも自主トレにする
  • 歩いている姿のイメトレを自主トレする

意識障害・重度の認知機能障害がなければ、絶対に何らかの形で自主トレは可能です。

 

ベッド上でも、少しでも能動的になって「自分で治すんだ!」を持ってもらいましょう!

自主トレメニューで悩んだ時に読むべき書籍は?

自主トレはセラピストがオーダーメイドで考えるものだ!

と言っても、参考になるものはあるにこしたことはない。

というわけで、読んでおきたい書籍を紹介します。

自主トレの具体的方法が記載されていて、印刷可能な写真データが付属されています。

写真データは「写真のみ」であるため、渡す患者さんに合わせて伝わりやすい文章や図を添えて渡してみましょう!

非常に簡単で分かりやすいものが集められています。

どこに対してどんな体操が効果的なのか、たくさん載せている一冊です。

専門的な知識を分かりやすく書いているので、一般の方でも十分に理解出来ます。家族さんに買ってもらっても良いでしょう。

アマゾンでは実際の中味を見ることが出来ますので、ひとまずチェックしておきましょう!

話題の川平法に関する一冊です。

セラピストが読むには物足りないかもしれませんが、一般の方が「なるほど!」と簡単に理解し実践出来るように書かれています。

おわりに

StartupStockPhotos / Pixabay

患者さんの自主トレを促すのって、簡単そうに思えて実は奥が深い。

今回挙げたのも実は一部で、考えた方が良い要因ってのはたくさん存在しています。

そして個別性が高いことなので、ひとりひとりにあった促し方とメニューを考えていかなければなりません。

 

  • こんなのも大切だよ!
  • これについて悩んでる!

などがあれば是非とも教えてください(*´ω`)

直接返信させていただいたり、記事で返信させていただきます。

 

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