リハ栄養で関わろう!栄養状態が感染症に影響する2つの理由!

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冬になるとノロウィルス・インフルエンザを始め、多くの感染症が流行し始めます。また、病院で勤務していればMRSAなどを耳にすることは少なくありません。実はこのような感染症に対しても栄養状態が関係しているとされています。「栄養と感染ってゴリ押しじゃない?」なんて思うかもしれませんが、理由を知ると「そりゃそうだ」となるようなものです。この記事では栄養状態と感染症の関係について紹介します。

1.免疫能の低下

低栄養状態であれば、感染症に罹りやすく・治りにくい。一方、良好な栄養状態であれば、感染症に罹りにくく・治りやすい。という事が言われています。この第一の理由として、栄養状態が免疫能と関連していることが挙げられます。これは低栄養状態…特に『低アルブミン血症では、リンパ球の機能障害が起こり、抗体の産生が低下が生じる』ためです。次のmemoを読みながら頭を整理していきましょう。

memo:低アルブミン血症

血漿におけるアルブミン濃度が低下している状態。アルブミンとは主要な蛋白であり、その60%を占めています。アルブミンが少なくなると、浸透圧の関係から血管における水分量が減少・血管外の水分量が増加します。身体所見としては下肢の浮腫が生じます。また、脂肪酸・ホルモン・薬物などとの結合し、体中に運搬することもその役割です。低アルブミン血症は、肝機能低下などの内科的疾患によって生じますが、慢性的に低栄養である場合にも生じることがリハ栄養としては重要な観点です。

memo:リンパ球

白血球と呼ばれる免疫担当細胞の1つ。ちなみに白血球には好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球がありますよね。リンパ球は白血球の20~40%を占め、免疫グロブリンなどの抗体を使い、異物を攻撃します。他の成分と異なり、ウィルスなどの小さな異物に対して特異に働く事が特徴です。ちなみに貧食細胞ではありません。このリンパ球が減るとウィルスに体が弱くなってしまうため、感染しやすい体になってしまいます。

memo:アルブミンとリンパ球

とあるデータでは『アルブミン値-リンパ球には正の相関』がある事が報告されています。つまり低アルブミン血症だと、リンパ球が減っているという事です。これより低栄養状態の人には免疫能が低下していて、感染症に罹りやすいと言えるのです。

2.抗菌薬の効果が低下

さて、何かしらの感染症に罹ってしまった場合には薬で治すことが必要な時があります。しかし、薬は「飲めば何でも同じように効く!」というわけではありません。薬の効きやすさにも栄養状態が絡んでいます。先ほどのmemoにおいてアルブミンの役割に「薬物との結合」というものがありました。つまり、薬を体中に運搬して効果的に作用させるには、その運搬役のアルブミンが豊富である必要があります。

下記のような報告がなされています。

  • 敗血症の治療効果と関連(島田,1985)
  • MRSAの治療効果と関連(Hayashi,2005)

また、セフトリアキソン・テイコプラニンと呼ばれる医薬品は、アルブミンとしっかり結びつく事によって長時間血中に滞在することが可能であるそうです。つまり、アルブミンが十分でなければおしっこになっちゃうのです。このあたりの話はドクターの投薬処方方法(どれくらいの持続時間で投薬するのか、どのタイミングでどの薬剤を選ぶのか)に影響してくる話です。

リハ栄養の観点としては、低栄養状態の人が抗菌剤を用いた治療を始めても、なかなかすぐには効果を出さないかもしれない。ということを念頭に置いた介入をしなければならいでしょう。また、薬剤の効果を高めるためにも、摂食嚥下機能・座位耐久性・食事をしたくなるような環境作りに主眼を置く介入が必要となることもあるでしょう。どうやらリハスタッフが栄養(そして摂食嚥下)に関わることで、感染症対応にも役立つことが出来る可能性があるのですね。

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