関節拘縮に対するリハビリ:定義・原因・評価・介入について

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理学療法士・作業療法士が関わることの多い病態として『関節拘縮』があります。

身体機能や動作能力に直結する場合も多い関節拘縮に対して、効果的に介入するためには原因や評価方法を正しく知っておく必要があります。

この記事では関節拘縮の基本知識について紹介します。

関節拘縮の定義

Gabrielle_RRI / Pixabay

実は関節拘縮の定義というのは様々あります。

結果として捉えた場合と、原因として捉えた場合によって異なり、下記のようにされています。

  • 結果:関節自体あるいは結合組織(筋・腱・関節包など)が短縮した状態
  • 原因:筋・腱などの結合組織が弾性を失い、他動的伸長によっても正常の長さにならない状態

いずれにせよ「関節が固くなってる!」という状態のことを指しています。

拘縮と強直の違い

よく拘縮と強直の違いを聞かれることがありますので、その違いも理解しておきましょう。

…と思ったのですが、実ははっきりと違いは分けられていません。

組織による分類

  • 拘縮:皮膚・筋肉・神経などの関節構成体以外の軟部組織の変化
  • 強直:関節端・関節軟骨・関節包・靭帯などの関節構成体そのものの変化

他動運動時の反応による分類

  • 拘縮:他動的な運動制限全般
  • 強直:その中でも完全に動かない状態

私は学校では、他動運動時の反応による分類の方で習いました。

臨床においてはいずれの定義を用いても「この関節可動域制限は軟部組織によるものか、関節構成体によるものか?介入によって改善する組織か、改善しない組織か?」と考えることが必要です。

つまり下記のような考え方が常に頭に浮かんでおくようにしておく必要があります。

  • この拘縮は筋?良くなる?
  • この拘縮は関節包?良くならない?

これは学生さんにおすすめです!

拘縮の原因:分類・病態

拘縮は大きく3つの要素によって生じます。

  1. 関節性
  2. 軟部組織性
  3. 筋性

PIRO4D / Pixabay

関節性拘縮

関節構成体における軟部組織(滑膜・関節包・靭帯など)が短縮を生じる場合

関節構成体に対して炎症・損傷などが生じることで、組織が硬化・線維化といった変化を生じます。つまり異常が生じると、固くなっちゃう!ということです。

下記のような病態が、例として挙げられます。

  • 関節リウマチによって滑膜が増殖することで関節包が硬化する
  • 変形性関節症によって関節軟骨が減少し、痛みにより防御収縮を引き起こし短縮する
  • 関節包が炎症や不動によって線維が短縮する
  • 手術の侵襲による浮腫や出血が滑膜増殖や関節包の癒着を引き起こし、線維化する

軟部組織性拘縮

関節自体ではなく、周囲の表皮・腱膜などが短縮する場合

関節性拘縮では関節の動きそのものが制限されるために、運動制限の方向が複数(屈曲+側屈など)生じます。軟部組織性拘縮では一方向性(屈曲だけ、など)に制限されることがほとんどです。

「皮膚の拘縮?そんなのあるの?」と思うかもしれません。

比較的遭遇しやすいものがTKA(人口膝関節置換術)です。TKAでは皮膚を広く切開するものですから、その後に皮膚が短縮を起こしやすいものです。皮膚に対するアプローチによって、屈曲角度がぐーんと広がる場合があります。

また熱傷は皮膚の影響を強く感じるものです。深部の皮膚まで熱傷による損傷がある場合には、強度の拘縮が生じます。皮膚が瘢痕化されている場合には瘢痕拘縮というものになります。私も何度か高度熱傷後の患者様を担当したことがありましたが、徒手的な介入では難しい場合が多かったです。

熱傷患者さんを担当する機会は少ない…という療法士も多いはずです。担当する際には必ず知識の補充を行っておきましょう。

筋性拘縮

筋実質の短縮による場合

これには内因性と外因性に分けることが出来ます。

  • 内因性拘縮:編成・炎症・虚血・外傷により、筋組織の構成体が再構築された結果によるもの
  • 外因性拘縮:弛緩性麻痺や中枢神経系の解放減少による痙縮や力学的要因によるもの

内因性拘縮

筋ジストロフィー

筋ジストロフィーは筋の変性疾患です。筋組織が再置換されることによって拘縮が生じます。病態だけでなく活動性低下によっても拘縮に繋がることがあります。

外傷

筋が外傷を生じることで出血に伴う線維化により拘縮が生じます。また外傷後の安静によって二次的な拘縮が生じることもあります。

炎症

炎症によってリンパ球の浸潤にともなうコラーゲンと結合組織の増加によって、筋の再置換が生じることが拘縮に至ります。

脱神経

脱神経筋によっても結合組織の増殖が生じるために拘縮に至ります。筋が減少すれば減少した分だけ、結合組織は増殖するため、拘縮となってしまいます。

高血糖

実は高血糖によっても拘縮が生じます。それはコラーゲンが糖化蛋白変性を起こすことによるものです。高血糖の人って「なんか固いな…」という印象を受けることが多いと思いますが、実はそこにはメカニズムがあったのです。

外因性拘縮

痙性筋

痙性=筋緊張の亢進が持続することで、常に筋は短縮位となります。短縮位になることで筋に器質的変化が生じ、結果拘縮に至ります。

力学的要因

長期臥床などによる廃用症候群の1つとして生じます。特にハムストリングス・大腿直筋・大腿筋膜張筋・腓腹筋といった二関節筋に生じやすいのが特徴的です。長期臥床後の患者さんなどはこれですね。

つまり不動による拘縮である

Witizia / Pixabay

このような原因は一口に『不動』によるものと考えることが出来ます。

不動と呼ぶと寝たきりの人をイメージするかもしれませんが、そうではないのですよね。

  • 意識障害によって自発的に身体を動かすことが出来ない場合
  • 骨折などで安静のために身体を動かしてはいけない場合
  • 運動麻痺や筋力低下によって身体が動かない場合

当該部位が動かない状態は様々で、結果的に不動に陥ります。そして、3週間以上の不動は筋や関節周囲の組織に変化を生じさせ、伸張性低下を引き起こします。

といっても「3週間までなら不動でも良い!」というわけではありません。3週間後からぐいっと伸張性低下を生じることが報告されていますので、それより以前から少しずつ結合組織は変化していってると考えることが出来ます。

「この患者さんはこの部位が不動だから、早めから介入しておこう!」と狙いを付けて、早期から関わっていくことが必要になります。

拘縮の評価方法

WolfBlur / Pixabay

さて、ここからが実践的な話になってきます。

まずは拘縮がどの要素によって生じているかの原因を見つけていかなければなりません。その方法を見ていきましょう。

二関節筋の短縮

二関節筋は2つの関節運動に影響しますので、片方の関節を筋が短縮位になる状態にして、他方の関節の可動域がどのような影響を受けるかを評価します。

大腿直筋を例にとって考えてみましょう。

大腿直筋の作用としては2つありますね。

  1. 膝関節伸展
  2. 股関節屈曲

ここから大腿直筋の短縮があるかを見分けるには、次のように考えます。

  1. 膝関節伸展位と屈曲位で、股関節伸展角度が異なる=短縮あり
  2. 膝関節伸展位と屈曲位で、股関節伸展角度が同じ=短縮なし

もちろん逆に考えても構いません。

  1. 股関節伸展位と屈曲位で、膝関節屈曲角度が異なる=短縮あり
  2. 股関節伸展位と屈曲位で、膝関節屈曲角度が同じ=短縮なし

人の身体には二関節筋がたくさんあります。このように片方の動きを操作して違いをみる方法で評価しましょう。

ちょっと話は変わってしまいますが、二関節筋と言えばこの一冊です。読み倒しましたわ…

短関節筋の短縮

一方で短関節筋であれば、このような評価方法が行えません。

そして拘縮が短関節筋によって生じていたとして、純粋に短関節筋の影響なのか、その他の結合組織の問題であるのかは判断することが非常に難しいものです。

私は臨床で評価する際にはいくつかの方法から総合的に判断するようにしています。

①伸長位で触診する

伸長位で当該筋を触っている時に「こりゃ~この筋だろ」と明らかに分かるような場合があります。腸腰筋であれば股関節伸展位にぐいーっともっていった状態で触診すると、明らかに筋だけがパツパツという状態を触診することが出来ます。

②ストレッチなどの介入を行う

筋を全体的に伸長させるようなストレッチや、筋そのものを押すようなストレッチなどがあります。筋を持続的にストレッチによって伸長させ、その直後の様子をみます。腸腰筋であれば伏臥位でのストレッチや指で押すようなストレッチを行い、その直後の股関節伸展位でのハリ具合を評価します。上手くストレッチがかけれているときには筋への作用が大きいため、若干でも変化が出れば短関節筋を疑っていきます。

触診は出来て当たり前…!とか言われてしまいますので、必ずチェックしていきましょうね!

ストレッチの方法は一つの筋でも様々なものがあります。専門書だけでなく、スポーツ分野や一般健康分野の本を読んでおくと、患者さんへの応用にも非常に役立ちます。ターザン先生はまじで役立ちます。

関節包・靭帯の短縮

まずは筋の影響があるかを判断しましょう。筋が怪しくなければ、次に関節包や靭帯といったもう少し複雑な組織を疑っていきます。

関節方や靭帯が短縮を生じている際には、多方向への関節可動域制限がみられることが特徴的です。

というのも、筋や腱は基本的にはそれぞれに一方向にしか関節を動かすことが出来ません。しかし、関節包や靭帯はあっちこっちの方向に影響を及ぼすために、制限方向があっちこっちになるのです。

そこで評価方法としては『関節のあそび』をみていくことになります。

関節のあそびとは、関節包や靭帯が最も緩む位置で関節面を離開させる方向に動かすことで、その周囲の伸張性を判断することです。

少し分かりにくいと思うので、実技を交えて考えていきましょう。

  1. あなたの右手で左指の基節骨を持つ
  2. 左手の力を抜きながらゆっくりと基節骨を遠位に引っ張ってみる
  3. 関節が開いたら、それが『関節のあそび』です

色々な人のあそびをどの程度か触ってみてください。私は一番分かりやすい指で練習してみるのをお勧めします。

段々と慣れてくると、いろんな関節における「関節のあそび」が分かるようになってきます。

そしてその「なんとなくこれくらいかな?」から、関節包や靭帯が短縮しているのか否かを判断出来るようになってきます。

このあたりは経験がものをいいますね。

徒手療法の知識を深めていくと、必ずぶち当たるものです。あえて方法論から学んでしまうことで見えてくるものもありますので、一度はこのような本も読んでみましょう。

拘縮の日常生活(ADL)への影響

拘縮は日常生活において様々な影響を及ぼします。

3dman_eu / Pixabay

直接的な影響

拘縮によって日常生活が直接的に影響を受けることがあります。

  • 肩に拘縮があって、上の戸棚に手が届かない
  • 指に拘縮があって、お箸が上手に使えない
  • 肘の拘縮があって、洗体が上手く出来ない

このような場合には、諦めるかアイデアで乗り切るしかありません。

  • 台に乗って、上の戸棚に手を伸ばす
  • 箸は使わず、スプーンを使う
  • 直接タオルを使わず、ブラシで背中を洗う

もちろん当該部位の拘縮を治すことも大切なアプローチです。

直接的には出ない影響

一方で「出来てるんだけどごまかせてる」という影響もたくさんあります。

  • 肩に拘縮があるけど、肩甲骨が過剰に上方回旋することで見かけ上は手が上がる
  • 肩に拘縮があるけど、体幹側屈で結果的に手が上がる
  • 第2指に拘縮があるけど、他の指で上手に箸を使う

一見上手に生活出来ている場合が多いので、療法士であっても気付かないことがあります。

「出来てれば良いじゃん?」と思うかもしれませんが、このような過剰な代償は必ずその部位にオーバーワークを起こしてしまいます。

  • 肩甲骨を動かしすぎて、周囲の筋が痛くなる
  • 片方に側屈する癖がついて、腰痛が出てくる
  • 第2指以外の指が過剰に疲れてしまう

疲れるくらいなら良いのですが、このような状況が長年続くと変形性関節症になってしまったり、炎症などから拘縮に至ったり…不可逆的な影響が生じることもあります。

ベテラン療法士が「関連する関節は見ておいた方が良い」というのはこのあたりの影響についても考えているためでしょう。もし肩が悪いということが頭にあるならば、関連する頸椎・胸腰椎・股関節といった部分まで幅広く評価することで二次的な問題を回避出来るかもしれませんね。

機能障害について勉強して治せるようになっていても、実はADLをちゃんと見れないと根本から治っていない…ということも多々ありますねぇ。

下肢拘縮の歩行への影響

Tabeajaichhalt / Pixabay

下肢に拘縮が生じることによって、歩行に影響が生じます。

ここでは足背屈制限と膝屈曲制限のみを例にとって解説しますね!

足関節背屈制限

比較的よく見るものですが、足関節背屈が制限されることで様々な歩行への影響があります。

  1. 立脚初期からのヒールオフ:本来であれば立脚後期からヒールオフが生じるものが、早期から生じてしまいます。これによって見かけ上「何がガタガタしている」という歩容の影響が生じたり、推進力が得られないためにスピードが上がらなかったりします。
  2. 膝関節過伸展:下腿の前方移動が制限されても、身体重心は前方移動しなければなりません。そのため膝過伸展によって前方移動することで代償します。これによって膝後面の組織が伸長されるため痛みを出したり、長期的には変形性膝関節症に至る事もあります。
  3. 体幹前傾:膝で代償出来ない場合には体幹前傾によって身体重心を前方移動させようとします。が、推進力は得られないために代償としては上手く機能しません。足も膝も固い高齢の患者さんは体幹で代償することが多いですね。

膝関節屈曲制限

  1. 分回し歩行:通常では遊脚期に屈曲→伸展することによって足部を前方に移動させることが出来ます。しかし軽度屈曲が出来なければ、足部がひっかかってしまうので分回しで代償します。
  2. 反対側立脚期の伸びあがり:同様にひっかかりを防ぐ方法としては、立脚期に伸びあがってしまう方法があります。どちらも変形性膝関節症の患者さんなどで遭遇しやすい歩行ですね。

下肢拘縮と歩行における代償の考え方

いわゆる正常歩行では『立脚中期に足関節底背屈0°』というように、その層における関節角度の状態が示されています。それは全て運動学的に意味のある、合理的な身体の活動です。

拘縮による関節可動域制限がある場合には次のように考えます。

  1. 「足背屈制限があるならば…立脚期に問題が生じるはずだ!」
  2. 「立脚期に背屈が出来ないと、身体重心を前方移動することが出来ない」
  3. 「ということは他の方法で、身体重心を前方移動しているはずだ!」
  4. 「体幹か!?大腿四頭筋か!?」

機能障害が引き起こしやすい動作の代償パターンと言うものは確かに存在します。しかし、同じ身体構造であっても人によって生じる代償の方法は異なります。また、高齢の方では円背や変形性膝関節症によって、代償出来る部分がそれぞれに違います。

その人はどんな手段で代償出来るのか!?ということを歩行の基礎に立ち返りながら考察する癖をつけていきましょう!

正常歩行を頭に叩き込むにはこの一冊がおすすめです。他の本よりも視覚的に理解できますし、何よりシンプルに書かれています。私も新人さんに歩行を勉強してもらうときにはお勧めしています。少し古いですが、それでも良質な一冊です。

そしてさらに踏み込んで勉強したい時にはペリーの歩行分析でしょう。辞書のような分厚さで歩行を解説してくれます。理学療法士であれば、3年目までに一読はしておくべきでしょう。私は1版しか読んだことがないので日本語訳で「!?」となりましたが、2版では改善されていることでしょう!(未確認)

拘縮のリハビリ:予防

さて、拘縮とは様々な結合組織が、様々な理由によって伸張性が低下します。が、その原因は全て『不動』によって生じているものです。なので、普段からしっかりと関節を動かしておけばOKです

一日どれくらい動かせばよいか?

さて、そうなるとどれくらい動かせば良いの?と疑問が湧いてきます。

とあるスーパー熟練PTに話を聞いたところ

『可動範囲を一日7回動かせばよい』

らしいです。

50年以上の経験から生まれた理論らしいので、信憑性は高そうです。

拘縮が起きやすい関節はどこか?

運動麻痺や筋力低下がある場合には、その部位が拘縮の生じやすい関節になります。そうですよね、動かないのですから、不動になってしまいます。

しかし意識障害・脊髄損傷・重度片麻痺などにより広範に不動が生じている場合には、拘縮が生じやすい部位を理解しておく方が良いでしょう。

肩関節

挙上する機会がなくなりますので、まず屈曲外転が固くなります。また、安静時には中間位~内旋位で保持されていることが多いため、外旋も固くなります。

前腕

見落としがちなのは回外です。安静時には回内位になっていることが多いものですから、気付いた時には「めっちゃ制限出てる!」となっていることがあります。後述する手や前腕の制限から、肩や肩甲帯に波及することもあるために気を付けましょう。

手・手指

忘れられがちですが、手や手指も固くなってきます。存在そのものを忘れないようにしておきましょう!方向は手関節は掌屈、手指は伸展です。

体幹・頸部

意識障害のある患者さんに対して、体幹・頸部への介入は忘れられがちです。しかし、全方向に制限が生じやすいために注意が必要です。これらの制限は誤嚥性肺炎にも繋がってしまうために、出来るだけ忘れないようにしましょう。

股関節

股関節では外旋筋の短縮が生じやすいために内旋に制限が生じやすいです、比較的早く拘縮に至ってしまうために注意しましょう。同様に内転筋に短縮が生じやすいので、外転に制限が生じやすいです。またベッド上安静では伸展することはまずあり得ませんので、伸展も必ず制限が生じます。

足関節

足は背屈に制限が生じやすいです。寝たきりの状態になっていて背屈0°以上になることはまずありませんし、自然に背屈に力が入ることもありませんのでね。

拘縮予防とポジショニング

3dman_eu / Pixabay

となると、ベッド臥床している患者さんに推奨されるポジショニングも見えてくると思います。

上記の特徴的な方向を考えながら、拘縮になりにくいようにクッションなどを用いてポジショニングしましょう。

そこで、褥瘡に関する基礎知識も頭に入れながらポジショニングすると良いですね!

褥瘡患者さんの栄養管理とリハビリに関する基礎知識

2017.07.14

ポジショニングは一つではダメ!

「そうか!じゃあ足背屈位で固定しておこう!」などと、一定の肢位でずっとポジショニングしておくことは良くありません。ポジショニングはいくつかのバリエーションをもって用意しておきましょう。

  • 仰臥位を2種類
  • 右側臥位でも2種類
  • 左側臥位でも2種類

といったように、いくつか患者さんに合わせてオーダーメイドで何種類も作っておきましょう!

ポジショニングは写真を見ながら学んでいった方が深まりますので、出来るだけ書籍で勉強するようにしましょう。

ポジショニングはやはりクッションをいかに用いるかがポイントです。個人でもいくつか保有しておいてよいくらいだと思いますよ。

拘縮のリハビリ:治療

StockSnap / Pixabay

拘縮は基本的には改善します!

拘縮は原因によって下記のように分類されています。

  1. 関節構成体における軟部組織:滑膜・関節包・靭帯など
  2. 周囲の表皮・腱膜など
  3. 筋実質

軟部組織や皮膚に対してはモビライゼーションや物理療法(温熱療法や超音波療法)を使用して介入します。その組織に応じて触り方や物理療法の設定は変更していきます。

筋に対してはストレッチが有効な介入になります。

また、寝たきり状態にならないように離床時間を増やし、活動性を高めることも重要です。だって不動がダメですからね!

リハビリ時間だけで考えない

とはいえ、療法士が関われる時間というものは限られています。拘縮が広範囲になる患者さんであればあるほど、介入時間外でも何か工夫をしなければなりません。

私は下記のポイントを考えながら介入しています。

  1. 自分で出来る介入を探す
  2. 家族で出来る介入を探す
  3. 医療スタッフで出来る介入を探す
  4. 装具やCPMなどの機器を利用して介入する

特に患者さん自身の取り組みは重要になってきます。自身でストレッチしてもらったり、歩行機会を作ってもらうことはより改善を効果的に図るためのポイントになります。

セルフストレッチの方法については一般書から学べることが多いものです。ターザン大先生と同様に色々な本を読んでみましょう!

改善しない拘縮もある!

とはいえ、長期化された拘縮や重度熱傷における皮膚瘢痕など…療法士の介入によって改善を見込めない場合もあるのです。

以前とある理学療法士向けの「肩の理学療法」に関する勉強会に行ったとき、「本当の凍結肩の烏口上腕靱帯はすごいぞ!骨みたいになるんだ!」と聞きました。そして「あんなの徒手では絶対に治らない!」と聞きました。

療法士によって治せるのか治せないのか、実は難しい拘縮もあることを知っておきましょう。

ちなみに私が一番好きな関節は肩です…肩の可動域制限に立ち向かっているとぞわぞわしてきます!

大切なのは効果判定

私が理学療法において一番大切にしていることは効果判定です。

どれだけ理論的に「これでいけるはずだ!」と思っても、その通りにいかないのが臨床というものです。

「筋だからストレッチで良くなるはずだ!」と思って介入し続けていても、一ヵ月も介入を続けて何も変化がなかったら、やっぱり間違っているのです。

  1. 効果がどれくらいで出ると見込んでいるのか?
  2. 実際に効果はあるのか?

この二点をはっきりさせながら介入を進めていきましょう。

おわりに

拘縮に対する介入って奥が深いです!

療法士のイメージって「徒手的に治せる!」というものが未だに根強いものですから、やっぱり改善させるスキルは持っておくべきでしょう。「制限因子分かりません…」とは言えない!

頑張って勉強しようぜ!

あ、今回述べてない表情筋と顎関節…は上の本を読んでみてください!

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