共感的な表情が苦手な療法士が行うべき、2つの毎日トレーニング

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対人コミュニケーションにおいて表情の果たす役割はとても大きい。

  • 悲しい感情には、悲しみの表情で共感する
  • 嬉しい感情には、嬉しさの表情で共感する

このように、表情によって共感を示すことで「感情を理解してもらっている」ばかりか「この人は信用できる」と感じてもらう事に繋がるためだ。治療技術や説明技術と同様に、表情という技術を用いることは、患者さんとのラポール形成に役立つのだ。

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共感的な表情が作用するために

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冒頭でも述べたように、相手の感情にマッチした表情を示す事が「共感的な表情」である。しかし、当然のことだが、表情だけが共感的であっても意味がない

悲しみに共感を示す時を考えてみよう。

あなたが悲しそうに「それは…悲しいですね…」と誰もが受け取るような表情をしている。しかし「あ~はいはい、そりゃ悲しいですね!残念!」などと、投げやりな言葉を使ってしまっては、共感的な態度を全然示せていない。むしろ「なんだこいつ!表情だけ変えやがって!」と、嫌がられてしまうだろう。

喜びに共感を示す時を考えてみよう。

あなたが嬉しそうに「それは!すごいですね!良かった!」と誰もが受け取る表情をしている。しかし「あ~…良かったんですね~…」と、いかにもテンション低めな声のトーンで話していれば、これまた共感的な態度を示していないことになる。「嬉しくないなら無理するなよ!」と思われるだろう。

このように共感を示すにはいくつもの要素が一致していなければならない

  • 表情
  • 声のトーン
  • 声の大きさ
  • 会話内容
  • 身振り手振り
  • 目線
  • タッチング

しかし、これらの要素が全て大切だからといっても、同じ重要性ではない。

メラビアンの法則では「矛盾したメッセージが発せられた際、どのようなコミュニケーションの要素からの情報を受け取るのか」という問題について下記のように述べている。

  • 7%:言語情報
  • 38%:聴覚情報
  • 55%:視覚情報

つまり、次のように考えることが出来る。

  • 笑顔で怒った言葉を言った時には、「実は怒ってないんだ~」と思われる
  • 悲しそうな顔で嬉しいことを話した時には、「本当は悲しいんだな…」と思われる

このように表情を代表とした視覚情報は重要性が非常に高いため、言葉以上に注意する必要がある。だから、とりわけ表情を気にして欲しいのだ。

感情の把握を出来るようになろう

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ということで、色々な表情を作れるようになろう!と練習を進めたいが、その前に「他者の感情を読み取る練習をしよう」である。

  • 悲しそうだな…実はぼーっとしているだけだった
  • 嬉しそうだな…実は疲れがピークに達していた
  • 辛そうだな…実は療法士のことが嫌いだった

このように、「想像した患者さんの感情」と「実際の患者さんの感情」がズレてしまうことがあるためだ。そのため、まずは「本当の患者さんの感情」を把握出来るようにならなければいけない

「本当の感情なんて難しいよ…」というのは確かにそうで、とっても難しいものに感じる。実際、本当の感情なんて自分にも分からないし、他人の感情となるともっと分からないためだ。

なので、難しく考えずに聞いてみる癖をつけてほしい。

  • 「悲しいですか?」
  • 「嬉しいですよね!」
  • 「疲れてますか?」

このような具合でオッケーだ。いろんな様子から感情を想像して、正解かどうかを本人に聞いてみる。これを繰り返しているうちにだんだんと当たる確率が上がってくるはずだ。

これを毎日の特訓第一として行ってみて欲しい。

色々な表情を作れるようになろう

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相手の感情が把握出来れば、あとは共感的な表情を作ることが出来ればオッケーだ。

表情作りは様々な方法がある。

  • 顔面筋を鍛える
  • 鏡を見て表情の確認をする
  • 発声練習をする

これらは非常に重要であるが「療法士なのに、なんでそんなことしないといけないのよ!」という気持ちになってしまう。それはもっともな話だ、療法士にとって共感する能力は大切だけど、メインとなる能力ではない。

なので、これも日々の臨床で一つ加えるくらいの気持ちで取り組むことからお勧めする。それは、共感的な表情をしてみる。ただこれだけである。それが毎日の特訓第二である。

たったこれだけのことだが、慣れていない療法士にとっては非常に難しい。療法士は何か問題や事象をついつい分析してしまいがちだ。そして分析している時には自分の表情や話の聴き方には注意が向かない。そこに毎回、共感的な表情を付け加えるのはかなり意識をしないといけないのだ。

その表情が合っているのか間違っているのか…上手く出来ているのか出来ていないのか…このあたりは実は取り組んでいる最初はどうでもよい。どうでもよいが毎日気を付けてみる。これを繰り返しているうちに「適切な表情にしないとな」と意識が働いてくるので、自然と上手になってくるのです。

まとめ

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共感的な表情って難しい…と思っている療法士に取り組んで欲しいのは下記2つである。

  1. 患者さんの感情を予測して直接聞いてみる
  2. 共感的な表情を常に試してみる

文章にすると非常に難易度が低く、面白くないもののように感じるかもしれない。しかし、取り組んだことのない療法士にとっては非常に難しいものである。

別にお金のかかる技術講習会に行くわけでもない…日々の臨床の邪魔をするわけでもない…ただ、ちょっと想像して、ちょっと試してみるだけである。是非とも取り組んでみて欲しい。

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