療法士の私が認知症ライフパートナーを取得して良かった3つの理由

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認知症ライフパートナーとは、日本認知症コミュニケーション協議会が主催する検定試験のことです。筆者は病院勤務しており、認知症の方と関わる機会が少なくありません。そこで数年前に認知症ライフパートナーを資格取得しました。この記事では認知症ライフパートナーって何?取得してどんな良さがあった?について紹介していきます。

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認知症ライフパートナーとは?

日本認知症コミュニケーション協議会が認める認定資格のことです。認知症の人に対してどのようにサポートすればいいのか?について考え、適切な対応が日々出来るようになるために確立された資格です。他の認定資格と異なる特徴として、ライフパートナーではコミュニケーションとアクティビティ・ケアについて着目している点です。これらの能力を高めたいと考えている人にはぴったりの資格と言えます。

資格概要

資格は3級・2級・1級と三つあり、あなたの知識に合わせて取得することが出来ます。

  • 3級:基本的な知識やコミュニケーション手法について学ぶ
  • 2級:介護や福祉現場の経験者に必要な知識や技術を学ぶ
  • 1級:プログラムの立案・実践・運営・評価が出来る専門職の育成・指導方法を学ぶ

3級では認知症の基本的な知識を扱うために、専門職以外でも受験する人が多いです。筆者が2級(当時は応用検定という名前でした)を受験した際には、80歳を越えているような方から大学生くらいの方まで、専門職に関わらずかなり幅広く受験をされていました。社会全体として認知症の知識を深めるためには、間口が広くて非常に良いですね。

難易度

筆者は2級を取得しています。理学療法士の免許を持ち、普段から認知症の方と関わっているためか、勉強内容もすっと入ってくるものが多く、難易度はそんなに高くありませんでした。私のように専門職として働いている方でなくても、理解しやすい内容が多いため、しっかりと勉強すれば大丈夫でしょう。

具体的には半年ほど前から「今週は2章まで」と区切り勉強を進めていきました。そして勉強した章について次の週に過去問を解く…という流れをひたすらに行いました。全章行った後は過去問を二回やり直すことで確実に落とさないようにしました。ポイントとしては、一人ではモチベーションが保てないことが目に見えていたため、同僚と一緒に勉強を進めました。ネットで調べていると、専門職でなくても「一ヶ月前から勉強して、合格しました!」という声がありました。一生懸命勉強すれば、誰にでも合格可能ですね!

試験概要

試験日:夏期・冬期の二回

会場:札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、岡山、福岡の7会場

受験料:1級12000円、2級8800円、3級5500円

受験資格:1級は2級合格者、2・3級は誰でも可能

取得して良かった3つの理由

さて、筆者は正直なところノリで受験してみた程度だったのですが、取得してみて非常に良かったと振り返っています。その理由を紹介していきます。

1.認知症について勉強出来る

よくよく考えてみると、療法士の養成校で認知症について深く勉強する機会がないように思います。また働き始めても、経験的に認知症について知っていくことがあっても、専門的に勉強することがありません。勉強会に行くのって、手技や技術などの治療方法に着目しがちですもんね。勉強を進める中で「あ~あれってそういう理由だったんだ!」というような発見がたくさんありました。

例えば、認知症ライフパートナーのテキストには「運動習慣と認知症予防」という項目があり、細かいデータについてレビューしています。その項目を読み込めば、「ウォーキングであれば、週に三回一時間程度を行うと良いですよ。その理由は…」としっかり説明することが出来ます。療法士にとって理由を知っていて説明出来ることは当然のことですよね。

2.認知症との関わり方が変わる

知識として正確に蓄積すると、実際の関わりの中で用いることが出来るようになります。特に認知症ライフパートナーはコミュニケーションに特化した知識を多数紹介してくれます。そのため、すぐに現場で実践出来る内容も多くあります。「今は○○の法則を考えながら、関わってみよう」と、意識して関われるのです。

例えば、認知症の原則の中で「感情残存の法則」というものがあります。これは嫌なこと嬉しいことの内容は忘れてしまっても、その時の感情は残るというものです。この法則を頭に置いて関わると…理学療法が終わって、認知症の方と別れる時に「今日は一緒にリハビリ出来て楽しかったです、またよろしくお願いします」といったポジティブな声掛けをしよう!なんて発想が生まれてきました。これもまたライフパートナーを勉強した成果でしょう。

3.他人に説明出来る

勉強を進めるといろいろな知識が当たり前になってきます。自分が昔は知らなかった…ということなんてすっかり忘れています。そのため認知症について同僚と話しても「あれ、もしかして○○の法則を理解してないのでは?」という機会が増え、説明することが多くなりました。

例えば、物取られ妄想は、若いころに食べ物に苦労した・家が貧しかった・自分は我慢して子どもに食事をさせていた…などの本人の過去のエピソードに強く影響を受けて生じる可能性があります。そのため、物取られ妄想を訴える人には、過去の事を考えながら関わらなければなりません。同僚に「物取られ妄想って何で生じるか知っている?」と聞いてみても、多くが答えられませんでした。家族指導やスタッフ指導にも役立つことが分かりました。

おわりに

認知症ライフパートナーは比較的取得しやすい資格です。そのため、就職試験に役立つ、認知症ケア加算が取れる…などのメリットはありません。しかし、資格取得を通して勉強をすることに大きな意義があります。療法士の私が勉強することで、日々の認知症の方との関わりが大きく変わってきました。是非とも療法士が知っておいて損のない認定資格ですね。

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