療法士はネガティブな感情も大切に

Matlachu / Pixabay

療法士を取り巻くとある考え方には「何事もポジティブに考えよう!」というものが存在します。確かにポジティブな考え方は、人を前向きにさせますし、つらい時に気持ちを切り替えるのに大切なことです。その一方でネガティブな感情を理解し、大切にすることも重要です。この記事では、療法士の在り方について考えてみます。

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ポジティブな感情の意義

療法士よ、ポジティブであれ!

と言わんばかりに、ポジティブシンキングを推奨する人たちがいます。患者さんを元気づけたい、前向きにさせたい、意欲的にさせたい…ポジティブ方向に気持ちを持っていくためには非常に重要な事です。私たち療法士が「いや~痛みは無くなるか分からないですね」とふと漏らした言葉によって、患者さんが落ち込み・不安になることは日常茶飯事です。「痛みが無くなるように頑張りましょうね!」という一言が掛けれるか否かは、療法士としてかなり大きな能力の差があります。

ネガティブな感情の意義

療法士よ、時には黙れ!

その一方でポジティブを押し付けるようなことがあってはいけません。ガン末期などの死に直面している患者さんや、脳卒中や重度内部疾患により不可逆的な状況にある患者さんなどは、ポジティブになろうとしてもなれない事が少なくありません。そこでは「ただ一緒にたたずむ事」や「黙って頷く事」が必要であったりします。場合によっては「一緒に泣く事」も必要かもしれません。

『この療法士は自分の事を理解してくれる』と患者さんが心から思えたとき、ようやく信頼関係が生まれるものです。そこからポジティブな方向に気持ちを転換させることが出来ます(場合によってはそのままかもしれません)。いずれにせよ、必ずしもポジティブにさせることだけが、療法士の心の在り方ではないのです。(この記事におけるネガティブという用語は、あえてぼやっとしたものにとどめています。)

では、どうするのか?

多様な患者の心を理解出来る能力を。

結局、一辺倒な心の在り方で、様々な在り方をする患者の心を理解することは出来ません。ポジティブな関わりが必要な時にはポジティブを、ネガティブな関わりが必要な時にはネガティブを。ケースバイケースなのです。大切なのは「今この患者さんに必要な関わり方は何か?」を療法士の得意な評価を用いて分析し、関わることです。

この記事ではポジティブもネガティブも例を挙げてみましたが、ガン末期の方でもポジティブの塊!のような方もおられます。脳卒中発症当日から一心不乱に理学療法や作業療法に取り組まれる方もおられます。疾患が○○だから、病期が○○だから…といった外枠に縛られること無く、療法士には心を想像しながら関わって欲しいものです。

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