あなたは療法士としてどんな一年でしたか?
年初めに立てた目標は達成出来たでしょうか…学会発表する、セミナー講師デビューをする、徒手療法のコースに通う、患者さんから「あなたが担当で良かった」と言われる…。このように一年を振り返ってみると、何だか出来なかった事がたくさんあるのではないでしょうか?この記事では出来なかったから反省!…の、上手な方法について紹介します。是非とも来年のステップアップに役立ててくださいね!
効果的な反省方法
言葉を変える
出来なかった事に注目していくと少しずつネガティブになっていくのが人間というものです。それは自問自答していく過程がまさにネガティブな言葉だからしょうがないものです。例として、次のような感じではないですか?
- 学会発表出来なかった…
- セミナー講師デビュー出来なかった…
- 徒手療法のコースに行けなかった…
- 患者さんから「あなたが担当で良かった」なんて言われなかった…
もう、字面を見ているだけでもネガティブになってきます。書かなければ良かった…とすら思えてきそうです。そして、このような言葉で自問自答していくのが何故良くないのかお分かりでしょうか?
そう、この自問自答では次にどのような行動をすれば良いかが見えてこないのです。
「○○出来なかった…」→「なんで出来なかったんだろう…」→「そういえば忙しかったからだなぁ…」と、どんどん出来なかった理由を探してしまうのです。出来なかった理由を見つけて、それを潰すことが出来れば、次には上手くいくはずなのですが、ネガティブな気持ちで理由を見つけると、ただただ言い訳をしてしまうのです(一種の逃避ですね)。「忙しかったし、しょうがないよね…」なんて思い始めます。
では、これを良い反省にするために、行動したくなるような自問自答に変換してしまいましょう!
- 学会発表するために、どうしたらいいかな?
- セミナー講師デビューのために、何が出来るかな?
- 徒手療法のコースに通うために、どう予定を組もうかな?
- 「担当で良かった」と、どうしたら言ってもらえるかな?
このように、視点を未来に向けるような自問自答をしてみましょう!無理にでも未来志向になることで次の行動が見えてきます。
- 上司に相談しよう!
- セミナー団体に連絡してみよう!
- 夏休暇で行けるコースを探そう!
- 上手な先輩を観察しよう!
いかがですか?少し途中をはしょってしまいましたが、同じように自問自答してみてください。ネガティブだった反省が、ポジティブな要素に少しずつ変わっていくような気がしませんか?
質問方法を知ろう!
過去質問と未来質問
実はこの質問方法はコミュニケーションスキルの一つなんです。
ネガティブになってしまう過去質問とは「なんで○○しなかったの?」「なぜ○○出来なかったの?」「どうして○○したの?」といったものです。これは「なんで・なぜ・どうして」といった言葉を用い、過去の行動へとスポットライトを当ててしまう形式で、自然と出来なかったことに注意が向いてしまう質問形式です。
一方、未来質問とは「どうすれば○○出来た?」「何をすれば○○出来る?」といった言葉を用い、未来の行動へとスポットライトを当てます。この質問により、自然に今後何をすべきかが見えてくるのです。
これは自問自答だけでなく、患者さんとのコミュニケーションでも重要な役割を担います。例えば服薬管理が不十分な患者さんに対する声掛けは、どちらの方が良いでしょうか?上は怒っているように感じるでしょうし、下は具体的方法を探している事が伝わるはずです。
- 「どうして薬飲まなかったのですか?」
- 「どうすれば薬をちゃんと飲めますか?」
歩行練習でのちょっとした指導なんかでも有効利用できます。
- 「何で力を抜いて歩かないのですか?」
- 「どうしたら力を抜いて歩けそうですか?」
療法士は患者さんに色々な事を能動的にやってもらわなければなりません。ちょっとした言葉遣いの違いが「もうこの療法士はいや!」と思われるのか「頑張ってやってみよう!」と思わせるのかの違いになって現れてきます。
余談が長くなってしまいましたが、自問自答が上手に行えるようになってくるとあなた自身が楽になることはもちろん、患者さんとの関わり方も上手になってきます。是非とも未来質問を用いた一年の反省を行ってみてくださいね。