認知症患者さんとのコミュニケーションから、大切なことを再認識したんだ。

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どうも、きた(@rehamame)です。

この前、なかなかに手強いとされる認知症患者さんを担当する機会があって、「割とうまいことコミュニケーションがとれたな~」とシメシメしてました。

で、「私の大切に思っている事を全部詰め込んだ時間だったな~」と、あとから振り返って気付いたんですよね。

そこで、この記事では

  • 上手くコミュニケーションをとれた認知症の方の話
  • 振り返って気付いたコミュニケーションに関する考察

をつらつらと書いてみようと思います。

記事タイトルが壮大だ(; ・`д・´)!

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認知症患者さんとコミュニケーションが上手くとれた経験

最後は笑顔になってくれたんだ!

本文を読む前に、ある日の私のツイートを読んで欲しいんだ。

今から読む内容をまとめると↓こんな感じ。

どうしよう…これ以上書く事ないよ…ってくらい集約されてるんだけど、詳細を書いていきます。

担当した認知症患者さん

  • よく怒る
  • 周りの人が「大変!」と思っている

すごーく平たく言うと、こんな状態でした。

怒る患者さんって結構遭遇しますし、そんな患者さんって「大変!」って思われがちですよね。

易怒性を示す認知症患者とのコミュニケーションで”待つ”が役立った話。

2017.09.11

大変!って思うのは、家族や周囲の入院患者だけでなく、プロである医療スタッフもそうなんですよね。

  • なんでそんなん言うの!
  • もう話しかけるのも嫌!
  • ややこしい!

もちろん口に出して言わないんですけど、どこかこのような空気が出てしまったり、心で思ったりしてしまうわけです。

さて、私が介入した時にはめっちゃ不機嫌でした。

しかし、「これは困ったなぁ…」なんて思うと、良好なコミュニケーションをとれるわけもありません。

まずは私自身を仏にして、怒られても傷つかない心を整えます。

↑アマゾンレビュー高いなぁ…(*´Д`)

そして「なんで怒るのかな…?」を探るようにしてみました。

コミュニケーションの基本は”相手の気持ちを考えること”が1つだと思っていますので、認知症があっても同じです。

怒る理由は患者さん自身だった!

すぐ怒る人なので、こちらから話しかけても思うように答えてくれません。

むしろ話しかけたら、何でも怒っちゃう。

まずは話しかけずに、ポロッと出てくる発言を拾ってみることにしました。

  • なんでこんな情けない体に…
  • なんも悪いことしてないのに…
  • こんなことになるなんて…

じっくり聞いてみると、このような発言が非常に多かったのです。

そんな発言から、次ようなことが分かりました。

  • 「んん!周囲に怒るけど、怒る理由は周りの人じゃないんだ!」
  • 「むしろ思いもよらぬ事態に陥った自分自身なんだ!」

怒る理由が私に向いていないと思うと、それだけでかなーり気持ちが楽になれます。傷つかなくて良いからね!

これだけでも良好なコミュニケーションを開始する大きな一歩になりました。

怒りたくなる理由を排除していこう!

さらに発言を観察していると、気が付くことがありました。

  • リハビリ室に来るのが嫌!
  • 歩く練習してる人を見るのが嫌!
  • 治される対象となるのが嫌!
  • 歩く練習は歩けないのを自覚するから嫌!

といったように、自分が患者と自覚するような刺激をすごーく嫌がっていました

たしかに、普通の生活だったらリハビリ室なんて来なくていいですもんね。

ケガやら病気やらしちゃったから治療するし、リハビリ室も来るもんだし…そうだよなぁ。

色んな発言を聞いていると、一見元気づける言葉すらも、元気を削いでしまうものだと分かってきました。

そういえば、私の研究では「ポジティブな声かけによって患者さんはやる気が出る!」というひとまずの結論が出ていますが、全ての患者さんでそんなことはやっぱりない。

「ポジティブな声かけでものすごく落ち込む人がいるじゃないか!」です。

患者さんのリハビリ意欲を高める声かけの方法を知ろう

2017.06.21

さて、少し脱線しましたが、この患者さんが怒りたくなる理由を排除していくことにしました。

といっても病院にいること・私という医療者が関わる事は排除できません。そして出来るだけ離床も図りたい。可能な範囲で出来ることをやるのみです。

具体的には…

  • 「歩けるようになってきましたね!」とか言わない
  • 「痛みはどこにありますか?」とか聞かない
  • 「足の力が強いですね」とか励まさない
  • 「歩けなくて辛いですね…」とか共感しない

のように、発言に気を付けるようにしました。

  • 「つらいだろうな」という目で見ない
  • 明るすぎたり暗すぎたりしない
  • アイコンタクトをとりすぎない

のように、非言語からも「患者としてみてるわけじゃないよ!」ということが伝わるように気を付けました。

↑医師の本は多いのに、療法士向けの本はまだまだ少ないですねぇ…

そしてコミュニケーションに気を付けながら行った介入は、“リラクゼーションだけ”でした。

もちろん本当はガンガン歩いたり、階段登ったり、筋トレしたり…たくさんやりたいことがあるのですよ。

でも、それを無理して患者さんが拒否する中でやってしまうと、その時は良くても、次回以降に大変なことになる。

まずは関係性を構築しなきゃいけないから「あなたの敵ではないのですよ~」をリラクゼーションというツールを使って伝えました。

もちろんリラクゼーションの時にも声かけは注意しています!

  • 〇:足が気持ちいいですか?
  • ✕:痛みがとれてきましたか?

絶妙なニュアンスの違いですが、自分が患者と自覚しにくい声かけを選択するようにしました。

そして笑顔に

最初めっちゃ怒っていた患者さんですが、段々とやわらかい表情になってきました。

そして最後には「ありがとうな」とニコッ(*´ω`)

いや~一生懸命コミュニケーションとった甲斐があったよ、こちらこそありがとうございます!

コミュニケーションにおける快・不快を考える

ありがとうって伝えたくて~

この患者さんにおいては“快・不快”という概念を頭にいれて介入していきました。

人間だれでも、快になるような関わりをしてもらったら嬉しいし、不快になる関わりされたら嫌ですよね。当たり前。

今回の介入では、加えてちょっと気を付けたところが一つ。

“患者さんにとっての快・不快を考える”

ということでした。

私たちが一般的に快としているものが、目の前にいる人にとって快かは分からないですよね。

例えば「テストの点数良かったね!かしこいじゃん!」と言われて嬉しいですよね?

でも、日頃から「お前はいつも勉強してないのに、点数いいよな~」と言われてたらどうでしょう?

もう皮肉にしか感じないですよね。

ポジティブな言葉なのに、ポジティブに受け取れない。

よくよく考えてみると、こういうことって患者さんではちょくちょくあることなんですよね。

ついつい私たちの価値観で物事を考えてしまいがちですが、それはいけません。

その人の価値観で物事を考えるようにしないと、大きな失敗を犯してしまいます。

↑今は日本人と関わり合うことが多い私たちリハスタッフ。今後は海外の患者さんや医療スタッフと過ごす事も増えるでしょう。そうなると”価値観”というものを今まで以上に意識してコミュニケーションをとることが求められるはずですね。

コミュニケーションスキルを選択する

どっちだ!

さて、私は今回”快・不快”という概念を基に患者さんとコミュニケーションをとってみました。

でもね、この”快・不快”という概念で、全てが上手くいくわけがありません。

似たような概念でも切り口が少し違うと、そっちの方が上手くいく場合もあります。

そうそう!今回の介入と似たような考え方には応用行動分析学ってあります。

↑詳しくは本書を読んでみると、すごーく理解出来ます。簡単に臨床応用出来るのにとんでもない効果があるので、私もよくお世話になっています。

色んな概念があって、それらって並列じゃないんですけど、私は並列にして「どれを使おうかな~」と臨床で考えています。

  • 内発的動機付け理論かな~
  • 自己効力感かな~
  • 非言語的コミュニケーションで表情かな~
  • 共感するようなエピソードかな~
  • あえていじられてみようかな~
  • それともいじってみようかな~
  • 単純接触効果を考えて何回も顔を出そうかな~

いくつもの理論や技術をごちゃまぜに頭の中に入れておいて、使えそうなものをその場その場で選んで使うようにしています。

なので、引き出しってやっぱり多い方がいいんですよね。

知ってることや出来ることはたくさんあった方が役に立つ。

そこでいくつか書籍紹介。

↑動機づけ理論をざっと知るにはもってこいの一冊です。コミュニケーションに興味がある人は一読だぜ!

↑割とべたな本なんですけど、ちゃんとまとまっているのはさすがです。これも一読だぜ!

他にもline@に登録していただいた方にだけ、私のおススメ書籍紹介を「登録特典」として用意しています。

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このような本から色んなことを学んで、常にそれらを使えるように頭に入れておくとすっごい役立つんです!

失敗しても落ち込まない

コーヒーこぼしちゃった!へへへ!

こんな記事を書いていると「そんな上手くいってすごいなぁ!」って思う人がいるかもしれません。

が、もちろん失敗だらけです。

  • 良かれと思ったのに怒られちゃう
  • 良かれと思ったのに嫌われちゃう
  • 良かれと思ったのに無視されちゃう

こんなことも多々あります。

人って失敗しちゃったとき、ついつい落ち込んでふさいじゃうんですよね。

「もう頑張ってコミュニケーションとらないでおこう…」って。

めっちゃ分かる!

めっちゃ分かるんですけど、それをしちゃうと上手にはならないんです!

なので失敗しても落ち込むのはやめにしましょう!

むしろ、失敗するのが当たり前だと思ってコミュニケーションをとってみましょう!

そして、失敗を”次にコミュニケーションとる時の糧”にしましょう!

「前回これがうまくいかなかった…次はこうしよう!」と。

臨床で痛みをとるとき、動作練習する時、関節可動域を改善させる時…どれも失敗しながら試行錯誤してますよね?

その経験があるから、少しずつ上手くなっていきますよね?

臨床におけるコミュニケーションも一緒です。少しずつしか上手くなっていかないんですよ。

認知症患者さんとのコミュニケーションから、大切なことを再認識したんだ。

やっぱり臨床から学ぶ事って多い!

コミュニケーションの勉強をしているとついつい、ハウツーになりそうになっちゃうんですよね。

  • 笑顔は大事に!
  • 言葉は元気に!
  • 楽しく明るく!

みたいな、ステレオタイプなやつをやりましょう!的な。

確かにそれってすごく大切で、役立つことなんですよね。

でも、実際にはそれでは上手くいかない患者さんにたくさん出会う。

自分が持ってる知識と技術を総動員しながら、論理立てて展開していく。

いわゆる評価して治療する、という普通が大切なんですよね。

臨床を9年目になってくると、感性が磨かれてくるから、トップダウンで見ていってもあたりがよくなる。

それはそれで良いんだけど、丁寧に臨床を展開していくことがやっぱり出来ないとあきまへん。

今回、認知症患者さんとのコミュニケーションはハウツーでいくとうまくいかなかったと感じます。

  • 快・不快を気を付けよう!
  • 言葉を細かく気を付けよう!

とか、ハウツーでは身につかないからね。

臨床を一生懸命やってると、再確認出来て良かったー!と思います。

そしてこういう経験を積み重ねていくと、よりレベルアップしていくだろうなーとも感じます。

*もちろん患者さんの話は少し実際とは変えています。

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