認知症の方が『活き活き』するコミュニケーションって普通だった件!

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認知症の方とのコミュニケーションって難しいイメージありませんか?

  • 共感的な態度を示そう!
  • 認知症の世界を理解しよう!
  • 過去の経験から推測してみよう!

「ん~分かるんだけど分からない…!難しそうだし…まぁええわ…」となりますよね。

で、ですね、今回、とある認知症対応型デイサービスに見学に行ってきたのですが、新たな発見があったので、ここに記録しておきます!

結論としては…『認知症の方とのコミュニケーションって、普通でいいんだよ!』です!

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認知症の方とのコミュニケーションに興味津々

私の職場の近くの認知症対応型デイサービスが、なにやらおもしろそうなところらしいのです。

古民家を再生した施設で、施設の持ち物として畑があったり広い庭があるらしい。そして、認知症の方が農業したり、ご飯作ったりしてるらしいのです。素敵!

ちまたではこのような取り組みをしているところ、ちょこちょこを耳にすることはありますよね。でも、実際に近所で取り組んでるところがあるなんて知らなかったのです。そして実際に目で見る機会がやってきたのでうれしす(*´Д`)でした。

興味津々だった理由はいくつかあります。

  • 認知症の方への対応はどんなものなのか?
  • 全スタッフ出来ているのか?
  • 認知症の人がどんな表情で過ごしているのか?

接し方に個人差がありすぎる現実

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このような興味が湧いたのも、認知症患者への対応が「ファッ!?」となっている状態をちょこちょこと見るためです。

  • 共感的な態度を示せる人、示せない人
  • 認知症の世界を理解出来る人、出来ない人

認知症患者さんとの接し方って、はっきり言って個々人のレベルに差がありすぎるのですよね。

認知症って言葉はもう日本で知らない人はいないくらいちゃんと知ってるはずですし、認知症の方と関わるんだったら何かしら本の1つやネット情報の1つでも調べたことはあると思うんです。ないのかな…。なのに、個々人で対応のレベルに差があるのって「なんでやねん!」なんですよね。

そこで、認知症対応型デイサービスのスタッフさん(しかも素敵な取り組みをしている施設)ならば、認知症に特化した知識・技術を持っているのではないか?と、安易に思ったわけです。

実際に認知症対応型デイサービスを見学してきた!

というわけで、長い前置きでしたが、実際に行ってきました!

様々な認知症の方が楽しそうに過ごしていました。

  • すさまじい集中力で小鉢を並べ、きゅうりの和え物を並べるおばあさん
  • 人形を一生懸命なでながら、ソファーにたたずむおじいさん
  • 散歩から汗だくで帰ってきて、麦茶で『乾杯!』をする二人のおばあさん
  • テレビを見ながらぼーっとしているおじいさん

それぞれがそれぞれの方法で、好きなように穏やかに楽しそうに過ごしている様子でした。

代表の方にお話を聞きながら案内してもらったのです。話の中で「上手く運営するポイント」として感じたのは、下記の項目ではないかと感じました。

  • 「出来ることはやってもらう」
  • 「不穏な時などは無理に促さない」
  • 「かっちりとしたマニュアルを作らない」
  • 「その場の状況に応じた対応をする」

だから食事の時の席も毎日違うし、昼寝するような場所じゃないところに布団を敷いたりもするし…「ま~その場に任せながらね!」というのを大切にしているようです。

認知症でも出来ることはやってみる

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「ま~その場に任せながらやってみよう!」って、実はなかなか難しい。

というのも、現実的には色んな現場では『認知症だから、ダメ!』という風潮があるからです。

「ハサミはだめ!」「包丁はダメ!」「針はダメ!」みたいなものですね。特に病院なんかでは認知症の方に限らず、刃物は禁止!という傾向があります(そりゃそうだ…と言えば、そりゃそうなのですが)。実はそのルールから療法士が自分自身で制限かけてしまって、認知症の方に適切な作業を提供出来てない場面があるものです。

取り組んでみたら普通に出来るじゃん!ってこともたくさんあるでしょうに。

みたいに、やってみてから修正してみるのも大切だと思うのですよ。

みたいなね!

もちろんリスク管理やらルールやら…そういうものはたくさんあるとは思うのですが、「ひとまずやってみよう!」という精神がないと出来ないことばっかりになってしまいます。

タイトル最高だな!

検査測定からのみ行動制限をかけると大変なことになる!

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認知症患者さんと療法士が関わる時って、HDS-RとかMMSEによって認知機能を評価しますよね。そして短期記憶が弱い…とか、見当識が曖昧…とか評価をします。

それらの検査結果から、行動やら生活やらリスク管理やらを想起します。

  • 「あ~リスク管理が危なそうだから自立は止めておこう…」
  • 「複雑な物品使用は難しそうだから…」
  • 「自宅で火を使うのは危険そうだよね…」

これは非常に重要なことなのですが、その一方で検査測定で点数が良くないような人が思いもよらぬ行動を出来てしまう(しまう?)ことがあります。

  • HDS-Rが3点なのに、クロスワードがめちゃ得意!
  • HDS-Rが5点なのに、料理を作ってる!

とかね。

認知症の方だと、慣れ親しんだ動作や行為であれば残っていることが多いものです。検査測定からは出来ないと思っていたことが、取り組んでみるとさっと出来る!ということが少なくありません。

長年主婦として働いていた人がご飯を作れたり、農家として働いていた人が収穫が得意だったり…ピクリとも動かないような人がレクリエーション活動になった瞬間に元気モリモリになったり…意外な一面(ある種当たりまえな一面)というものがあるものなんですね。

だから、検査測定で一方的に『出来ないはずだ!』と決めつけないで、『取り組んでみて出来たら嬉しいよね!』といったスタンスで関わってみると上手くいくことがあります。

そもそもですが、いわゆる健常者であるスタッフだって…

というように考えることも出来るわけです。書類忘れしまくる人とか、いつもクレームばかり起こす人とか、何回言っても患者応対が下手な人とか…世の中、認知機能低下・高次脳機能障害だらけですよ。ほんとうに。私もアップダウン激しいから情動問題ありですし、集中力が続かないので注意機能に問題ありです…(何の話だ)。

おっと、脱線してしまいましたが…『認知症だから!』というラベルを張って関わると、大切なことを見失ってしまうのです!

認知症のコミュニケーションは『普通』だった!

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さて、私の着目していたスタッフの関わり方はどうだったのかと言うと…

みんな普通でした(; ・`д・´)。

そうそう、この『普通』が実は秘訣!

というのも、先述したように、認知症の方とコミュニケーションをとる時って色んなラベルを貼ってしまうことが多いものです。

  • 理解が出来ない
  • 言ってもやってくれない
  • 色んな事を覚えてない
  • 複雑なことが出来ない

このようなイメージを持って関わる結果、過剰な赤ちゃん言葉を用いた声かけ・危ないことを禁止するという行為に繋がってしまいます。

『普通に接する』というのは、認知症というラベルを貼らずに関わることです。

ラベルを貼らずに普通に接していれば『料理出来ますか~?あ、ここだけでも手伝ってください!』『トマトとってきてもらっていいですか~』と出来ることに思考が向いていくものです。やってみることが当たり前になる。一方、何か出来なかったり、不都合が生じた時にも「まぁまぁまぁ、やめておきましょうか!」くらいで済むもの。

普通というものは当たり前なのですが、実は結構難しいですよね。

普通と扱わないように専門職は教育されてきているのですから。

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「ラベルを貼る」と「理解する」は違う

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『じゃーどの患者さんもまっさらな状態で関わったらええのかい!』という話になってしまいそうですが、それは違います。

「ラベルを貼る」と「理解する」は全く異なる水準の話です。

  • ラベルを貼る:「勝手に良くないイメージを作って、その基準で関わりを持つこと」
  • 理解する:「出来る出来ないを正しく判断すること」

認知症の方ともっと良い関係になって、良い関わりが出来るようになるためには、ラベルを貼らずに理解する営みが必要です。経験を積めば積むほど、どんどん色んな理解が進むし、予測も出来るようになってくるからやっかいなんですよね。

ってさ、これまた難しい話なんですよ。結局、根性論なんかい!って話になってしまうわけです。

実は専門職じゃなくても上手く関われる

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では見学に行ったデイサービスではそんな達人?仙人?みたいなスタッフばっかりなのかい!と疑問が湧くかもしれませんが、そうではありませんでした。

認知症の方と関わるは初めてというスタッフも多い、とのこと!

むしろ色んな経験をしているスタッフよりも柔軟に色んな物事を理解して吸収してくれるので、認知症の方とのコミュニケーションもすっと上手になっていくとのことでした。

素晴らしいですよね!

専門職の方でなくても、専門的な知識や技術がなくても、普通に認知症の方とコミュニケーションをとって、普通の日常をともに過ごすことが出来ているのです。うわ~なんか、素晴らしい…!

『認知症の方とのコミュニケーションが上手くいかない…もっと上手く出来るよう気がする…』と感じている時には、実は知らず知らずラベルを貼っているのかもしれません。一度まっさらに戻してみて、関わりを見つめなおしてみることも良いのかも!

認知症ライフパートナーのテキストは、認知症の基本を理解するのにけっこう役立ちます。資格もとっちゃって勉強もしちゃって…二兎を追ってみるのもおすすめです。

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おわりに

冒頭で述べた、私の疑問をまとめてみます。

①認知症の方への対応はどんなものなのか?

—A.普通だった!

②全スタッフ出来ているのか?

—A.全スタッフが普通だった!

③認知症の人がどんな表情で過ごしているのか?

—A.穏やかで楽しそうだった!

です!ただし『普通に秘訣アリ!』です

めっちゃ素敵でした!最高だな(*‘∀‘)

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