易怒性を示す認知症患者とのコミュニケーションで”待つ”が役立った話。

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認知症患者さんの中に易怒性を示す人っていますよね。

  • 何を見ても怒る
  • 何をされても怒る
  • 何もされてないのに怒る

もう怒りまくりです。

療法士は怒っている認知症患者さんであっても、何かしらの訓練に取り組んでもらわないといけないので少し大変です。

  • ベッドで横になって…「嫌や!」
  • ちょっと足触りますね…「嫌や!」
  • 筋トレしましょうか…「嫌や!」
  • 歩きましょうか…「嫌や!」

困ってしまいますよね。

先日、認知症患者さんで易怒性バリバリの人を担当してたのですが、”待つ”ってことが凄まじい効果を発揮したので紹介します。

よくよく考えたら当たり前だけど、なかなか出来ない”待つ”を考えてみましょう( ゚Д゚)

易怒性って何?

文字通り、怒るのだ!

易怒性とは認知症患者さんにしばしばみられる症状の1つです。

普通だったら怒ったりしないようなことであっても、不機嫌になったり、怒ったりする症状です。

怒るだけでなくて、大声を出したり・暴力をふるったり・物を投げたりといった行動をしてしまう場合もあります。

これは、認知症患者さん自身がもの忘れをしたりすることで不安・焦燥感が生じ、その結果として易怒性に繋がると言われています。

また、もの忘れは認知症症状によって出現するもので、周囲の人々がもの忘れ自体を改善させることは難しいと考えられています。

一方、易怒性は周囲の人々の関わり方によって出現せずに済む場合が多いです。

つまり、療法士のコミュニケーションや環境設定がかなーりキーになっていると考えられますね。

私の担当した認知症患者さんもあるスタッフには怒りまくり、あるスタッフには全然怒らない…という状況になっていました。

↑とりあえず認知症のことは知っておこうね(*´Д`)

易怒性を示す理由を探してみる

よし!見てみるぞ!

易怒性を示す理由は、患者さんごとにそれぞれです。

そこでまず、担当した患者さんをじーっと観察してみました。

怒る時と怒らない時があって「ほぉほぉほぉ」と、易怒性を示す理由を次のように評価しました。

  • 自分のやりたくないことを強要される
  • 自分のやりたいことをダメと言われる

とどのつまり「自分のやりたくないことは嫌!」という状況でした。まー当たり前といえば当たり前ですよね、やりたいことやってて怒る人はいませんから(; ・`д・´)

そうなると患者さんのやりたいことだけをやってもらえれば一番良いのですが、なかなかそうはいきません。

もちろん、患者さんにとってリハビリが”やりたいこと”になってくれたら嬉しいですが…患者さんが嫌でも、私の担当している時間は筋トレしたり歩行をしたり…何かしら動いてもらわなければなりません。

さらに観察を続けていると、次のことが分かりました。

  • 「嫌だと言ってたことも、しばらく時間を置くと受け入れてる」

ふむふむふむ、これはスムーズにリハビリを進めるポイントだな!と私は目をぎらつかせました。

ちなみに認知症の評価はちゃんとしたものがたくさんあるので、必ず目を通しておきましょうね(; ・`д・´)

易怒性に“待つ”を使ってみる

こんな様子で待ちます

『やりたくないことは嫌!だけどしばらくするとやってくれる』という仮説を立ててみて”待つ”を実践することにしました。

私:〇〇さん、次は立ち座りの運動しましょうか!

患者さん:いや!なんでそんなんせなあかんの!

私:そうですよね~そんなん嫌ですよね~(*’▽’)

(ぼーっとしながら、約2分待つ)

私:〇〇さん、じゃあ立ちすわりをしてみましょうか!

患者さん:立って座るの?いいわよ~やってあげようか?

私:ありがとうございます!では1回…2回…

おお~!たったこれだけでうまくいきました。

直前まであらゆることを嫌と言っていた患者さんでしたが、スムーズに訓練に取り組んでました。

ちなみにこの後も何度か同じ展開がありましがが、待つを繰り返すことでこれまた円滑に進めることが出来ました。

“待つ”が上手くいった理由

さぁ、考察だ!

さて、”待つ”が上手くいった理由を考えてみましょう。

  1. 患者さんにとってリハビリをするのは時には嫌なこと
  2. 待ってみて、嫌なことを忘れてもらう
  3. 再度お願いしてみる

ざっと述べるとこんな感じでしょうか。普通と言えば普通ですね。

でもね、この普通がなかなか出来ないのです。

実際の臨床場面では下記のような状況になるのではないでしょうか?

療法士:〇〇さん、まーそんなこと言わずに立ち上がりしましょうよ!

患者さん:嫌だって言ってるでしょ!なんでなの!

療法士:まーそんなこと言わずに、はいはいはい!

患者さん:もう嫌だって!

療法士:(この患者さんややこしいわ…もう中止しよ…イライラ)

となってしまいます。

だって、早くプログラムやりたいですもんね、療法士だから。

早くプログラムを行うために、待つのですよ。

最近は本当に良い本が出てきていますよね。

“待つ”時の「コツ」は暖かく

待つときにはこんな精神で!

待つというのは、ただ待つのではいけません。

嫌な気持ちを忘れてしまうくらいに寄り添って待たなければなりません。

  • 共感的な態度で
  • でも笑顔が中心に
  • 楽しくなるような話題を入れて

です。

易怒性のある方を対応する時って、ついついこっちも身構えてしまうのですよね。

  • うわ~あの患者さんの時間嫌やな
  • また怒られるんだろうか
  • 早く終わって欲しいな

こんなのって、実は患者さんにも伝わってしまいます。認知症があっても。

むしろ認知症があるからこそ、そんな療法士の気持ちを受け取って、素直に表現してしまいます。

人による部分はありますが、認知症になるとその人の上っ面がなくなる印象があります。

  • 怒りたいから怒る
  • 楽しいから喜ぶ
  • 腹が減るから食べたくなる
  • 悲しいから泣く

感受性は少し落ちるかもしれませんが、自分が好意的に受け止められているのか、嫌がられているのか…そんなのってさすがに分かりますよね。

Twitterで書いた時は、「待つ・聞く・笑顔」とまとめてますが、結局一緒ですね(*’▽’)

“待つ”を鍛えるための”聞く”をトレーニングする

そしてやはりトレーニング!

そして、暖かく待つためには、日頃から”聞く”をトレーニングしておくことをお勧めします。

  • 患者さんのおもしろくない話を最後まで聞く
  • 患者さんが楽しく話せるように聞く
  • 患者さんがもっと話したくなるように聞く
  • 聞いてもらって良かった!と言わせるくらい聞く

私はこんな聞く練習をすれば、もっとみんなコミュニケーション良くなるのにな~!と感じています。

そして私の経験談。

聞くことを意識してコミュニケーションをとっていると、一年くらいすると3つのことに気付いてきます。

  • え、めっちゃ話してくれる!
  • え、めっちゃ話聞いてくれる!
  • え、めっちゃ楽!

です。

人ってやっぱり話したいものですから、聞いてくれる状況って嬉しいものなんです。

そしたら自然と話してくれるので、色々と情報が滝のように流れてきます。ちょっと質問するだけで色々教えてくれます。

*いらん話ばかりにならないように、適切な聞き方も身に付けながら…ね。

聞いてくれる相手の話は聞こう、と思うものですから、結果的に療法士の指示も通りやすくなります。

その結果…あんまり一生懸命伝えてないのに伝わる!という現象にいたるので、すごく楽になります。

私は対患者さんの時だけにコミュニケーションスキルを発揮するようにスイッチを入れてるんです。

だから飲み会の席では普通のおじさんです。

それでも自然と聞く能力が上がってきたためか「話しやすい」とか言われる機会が増えてきました。

日々のトレーニングがかなーり体に染み込んできたようです。

おわりに

ひらめいた!になってほしい。

どうですか?

めっちゃ簡単なんですよね。

正直、徒手療法をマスターするより…認定資格とるより…脳画像の読影より…簡単なんですよ。

日々の注意でレベル上がっていくもんだと思うんですよ。

そのくせにすごーい療法士の武器になるんですよ。

是非ともみなさまには、療法士の武器として”待つ”を獲得してほしいと思ってます。

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