患者さんへの初回介入時にペーシングがけっこう役立つという話。

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どうも、きた(@rehamame)です。

日々の臨床は、この白黒写真のように渋めに行っています。

ところで、みなさん、コミュニケーションスキルってどんなの知ってますか?

  • あいづち
  • うなずき

実はこんなのも立派なコミュニケーションスキルなんですよ。

*当たり前すぎて気にかけたこともないかもしれませんが、ちゃんと使えばすごいですよ(; ・`д・´)

で、今回紹介したいのは「ペーシング」と呼ばれるコミュニケーションスキルです。

私の臨床場面での実例を交えて紹介しますので、是非とも読み進めてくださいね!

コミュニケーションスキル「ペーシング」とは!?

こんな雰囲気で臨床をしてま…せん!

ペーシングとは次のように定義されています。

ペーシングとは、相手の話し方や状態、呼吸などのペースを合わせることです。

ペーシングのポイントは、「話し方」「相手の状態」「呼吸」です。
相手の話し方にペーシングするときは、声の調子や話すスピード、声の大小、音程の高低、リズムなどを合わせていきます。

相手の状態にペーシングするときは、明るさや静けさ、暗さ、感情の起伏などに合わせていきます。呼吸にペーシングするときは、相手の肩や胸や腹部の動きを観察しながら、同じ呼吸のリズムになるよう合わせていきます。

このように相手とペーシングを行っていくと、聞き手と話し手の中に一体感が生まれてきて、話し手は安心して話をすることができるようになります。それによって、相手とのラポール(信頼関係)を築くことができます。日本NLP協会

まぁ、なんというか普通のことですよね。

  • 悲しんでる人にハイテンションで関わったらおかしい!
  • 元気な人にはこっちも元気に関わろう!
  • つらい時には寄り添おう!

うんうん、当然ですよね。

患者さんの初回介入あるある

さて、ペーシングを頭に入れてもらったのですが、少し話を変えますね。

初めての患者さんに介入する直前の私

あなたの”初回介入”って、どんな感じですか?

私は臨床9年目で、ずーっ患者さんと関わってるのにいまだに緊張します。

  • めっちゃ怖い人だったらどうしよ…
  • めっちゃ暗い雰囲気の人だったらどうしよ…
  • いきなり怒られたらどうしよ…

コミュニケーションの達人を目指しているにも関わらず、いまだにこれ(; ・`д・´)

圧倒的な小者感で日々仕事をしています。もう慣れてもいいのにね、さすがに。

いや~他の療法士が担当する患者さんに代行で行く時にも、やっぱり緊張します。

  • いつもはニコニコしてるけど、いきなり怒られたら…
  • 自分だけすっごい嫌われたりしたら嫌だな…
  • いつも楽しそうだから、つまらなくさせたらどうしよ…

心配性にもほどがあるだろ!って自分でも思います。

ちなみに職場では”出来る男”を演じているので、雰囲気はすごいベテラン感です(多分)。

そんなこんなで出来れば上手くやりたい初回介入ですから、気合い入れるんですよね。

「〇〇さん、こんにちは!担当理学療法士の喜多です!よろしくお願いしますっっ( ゚Д゚)!!!!」

割とほんまにこんな感じです。

これきっと、療法士の初回介入あるあるだと思うんです。

みんな新しく買ったノートの一ページ目ってきれいに使うでしょ?気合い入れるでしょ?

あの感じが初回介入時にあると思うんですよね、みんな。

ノートと言えばコクヨ。

初回介入で気合いを入れる罠

罠にはまった瞬間の私

理学療法士は元気な方がいいじゃん!

というのが通説ですから、みんな上述した私のような気合いの入れ具合で初回介入するんですよね。

「こんにちは!担当します( ゚Д゚)!」

大きい声まで出てなくても、心の中ではこれくらいの気合いを入れてると思うのです。

(ってかこれくらい気合い入れて臨床に向かって欲しいものです。)

でもね、ここに罠があるのですよね。

多くの患者さんが何かしらの不安や心配があるのですよね。

  • うわ~リハビリの人来たよ~
  • きついことされるんだろうな~嫌だな~
  • まだ痛いからリハビリとか言われても困るわ~

「分かりました!これからお願いします!」と、一見元気よくしている人でも、よくよく聞いてみると心の中では不安・心配が色々とあるものです。

↑医師の本ですが、患者さんとのコミュニケーションについて書かれているものでは一番です。必読!

さて、ペーシングの観点からこのような状況を考えてみましょう。

  • 療法士:頑張りましょう!
  • 患者:不安だなぁ…

うん、全然ダメっぽい。

ペーシングは声の大きさ・スピードだけでなく、感情もペースを合わせることが必要です。すれ違いまくってるから、ペーシングの『ぺ』も出来てない状態です。

つまり罠は…

私たちが『療法士よ!元気であれ!』的な思い込みから、ペーシングを阻害してしまっている!

です。

実際の初回介入におけるペーシング

こんな雰囲気でした(ではない)。

さて、ここからが実例です。

初回介入失敗バージョン

大腿骨骨折の患者さんの初回介入での話です。

私「ふむふむ、前院では歩行器レベルまで行かなかったんだな。きっとなかなか歩けなくて落ち込んでいるはずだ…テンションアゲアゲでいったら温度差がすごい。」

私「ここは共感を示すために少し明るい雰囲気を抑えてみよう!」

私「〇〇さーん…はじめまして…(ローテンションで)」

患者さん「あ!リハビリの担当の方ですね!待ってました!リハビリ頑張りますよ!楽しみにしてました!」

私「(はっ…!めっちゃ明るい人だ!早くこちらも明るいモードに切り替えないと!)」

私「あっ、はじめまして(モゴモゴ)…(マズイ、いきなりテンションは上がらないぞ…)」

と、これが失敗例です。

私はカルテの情報から「きっと患者さんはこんな気持ちで過ごしているはずだ!」というのを決めつけてしまいました。

その結果「よし、このテンションで行くぞ!」と明るい雰囲気を抑えるようにスイッチを入れてしまったのです。

患者さんの気持ちや様子は、実際に会ってみないと分かりません。

決めつけてコミュニケーションをとると、ペーシングは上手くいきませんね(; ・`д・´)

初回介入成功バージョン

こちらも、大腿骨骨折の患者さんの初回介入。

私「ふむふむ…転倒受傷ですな。急性期では独歩練習も少ししていた…まー様子に合わせてぼちぼちやるか!とりあえずまずは元気よく!」

私「〇〇さーん、こんにちは!理学療法士の喜多と言います!担当になりまs…」

患者さん「あーはいはいはい(けだるそうな雰囲気)」

私「(ん?これはもしかして…やる気ないパターンだな!…テンションを切り替えるか!)」

私「…リハビリはぼちぼちと様子に合わせて進めていくので、よろしくお願いします~(ゆるめの口調)」

患者さん「あのねぇ」

私「はい」

患者さん「私ねぇ、本当はリハビリ病院に来るつもりじゃなかったのよ。もう十分に歩けるから」

私「はい、そうなんですか」

患者さん「だからねぇ、全然やる気ないのよ」

私「なるほど~、そりゃやる気でないですよね。ぼちぼちしましょうか~」

もちろん、言葉以外の要素もめっちゃ変化させています。

  • 声:大きい→小さく
  • スピード:勢いあり→勢いまるでなし
  • 活舌:メリハリあり→けだるそうな悪さ

セラピストなのに気怠い雰囲気を醸し出してみました。

文章では全く伝わらないのが切ないです…

さて、この患者さん。この対応でどうなったのか…。

患者さん「あんたに担当してもらって良かったわ~、最初に来てもらった時からええ人にあたったな~と思ってん」

と、すさまじく高評価をいただきました(*´Д`)

実際の理学療法は普通の内容を行っていたので、やっぱりペーシングがはまったんだと思います。

この場合のポイントとしては、患者さんに合わせて柔軟に関わろう!とあらかじめ決めていたことです。

繰り返しますが「療法士よ元気であれ!」がデフォルトになっていますから、療法士がやる気なしモードな雰囲気には”よほど根性が無いと出来ない”んですよね。

*常にやる気なしモードで仕事してる療法士は論外です( ゚Д゚)

おわりに

対人コミュニケーション術を学んでも、患者さんが爆発的に良くなるわけではありません。

でも、思いもよらぬところで差が出てきます。

  • 担当されて良かったと思ってもらえる
  • 頑張ろうと思える
  • 前向きに生きていこうと思える

今の療法士がメインのアウトカムとしていないような部分で、少しずーつ差が出てきます。

ペーシングといった対人コミュニケーションスキルを少し学んでみるのも良いですよ(*´Д`)

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