PT-communications主催セミナーとして「在宅で本当に役立つ歩行能力の再建~回復期と在宅、2つの視点から~」を行いました。
- 回復期:喜多一馬(私)
- 在宅:金児大地先生
フィールドの違う二人が、それぞれの視点から歩行について語りました。
回復期における歩行の評価・介入
始まりました!!
喜多さんの回復期における本当に役立つ歩行能力の獲得について^ ^ pic.twitter.com/e9NL5hXRKe— 金児大地 (@daichi_familink) January 19, 2018
まずは私から…
「そんなことないだろ!」と思うかもしれませんが、下記のような事態には陥りたくないものです。

こんな事態にならないよう、私は三つの要素を重視しています。
- 歩行能力の予後予測
- 環境
- 患者さんの気持ち
三つをすり合わせることで、本当に必要な歩行練習が行えます。
わたしの視点
・歩行能力を予測する
・環境とすり合わせる
・患者さんの希望とすり合わせる全てがマッチする形で在宅をプロデュースして、回復期での理学療法を展開していく。これに尽きます。 pic.twitter.com/agefVBWhWM
— 喜多一馬 (@rehamame) January 20, 2018
すり合わせが上手くいかないと、トラブルが生じます。
- 伝い歩きレベルなのに伝える環境がない…
- 車椅子レベルなのに導線がしんでいる…
- 装具を履かない性格なのに裸足練習してない…
困って移動しにくい…だけならまだしも、引きこもり・介助量増大などにも繋がってしまいます。
なので…
- この患者さんは3ヶ月後に伝い歩きだ!
- 伝い歩き出来る環境は設定できる!
- 患者さんは伝い歩きでなら帰りたいと思っている!
このように全てをマッチさせることが大切です。
在宅における歩行の評価・介入
訪問リハビリが週一回40分の介入を行う=全体の時間から見ると、わずか1%にしか過ぎない!過ぎないのだ! pic.twitter.com/4dZkQyF3gR
— 喜多一馬 (@rehamame) January 19, 2018
さて、金児さんからは在宅のリアルで熱い話をしていただきました。
理学療法士が介入できる時間って本当にわずかです。その中で効果的に患者さんの歩行能力を高めていくためには…
- 自主練習指導
- 環境調整
- 情報共有
がキーになってきます。
療法士が関われる時間以外をプロデュースすることが大切です。
一方で、歩行能力の向上を目指すことが難しい患者さんもいます。
- 歩く練習がしたい!
- きれいに歩けるようになりたい!
という思いを受け止めながら、車椅子生活をプロデュースする。
このあたりのリアルな話を聞くことが出来ました。
質疑応答では、よりリアルな話を
最後は20分くらい質疑応答で、臨床でのリアルな話を。参加者の方々の実感こもった悩みは、何よりも深い勉強になります。
以下、挙がった疑問と私たちの回答を一部。
セミナーでの1コマ
「独歩自立は難しそうな患者さんだけれども、独歩でスタスタ歩きたいという希望が強い。どう目標設定すればよいか悩む。」
↓
「諦めなくても良いと思います。諦めずに独歩でスタスタは目標として持ち続けて、その一方で外出機会や趣味活動も目標にしてみましょう!」
— 喜多一馬 (@rehamame) January 20, 2018
「患者さんを諦めさせるのも療法士の役目だ!」という指導を受けていた方がいて、この回答には驚かれていました。
私も金児さんも同じ価値観を持っていて、私たち療法士は諦めることを伝える立場ではないと考えています。
諦めないけど、一方では別のものを目指す。ということが現実的な落としどころかな、と思います。
セミナーでの1コマ
「回復期から在宅に移行する際、練習しておいて欲しい内容はある?」
↓
「転倒するとパニックになり、起きれない人が多い。本気の転倒を経験してもらって起き上がる練習を!」
「自宅と病院は絶対に環境が違う。外出訓練をどんどん行うべき。自宅でしっかり確認を!」
— 喜多一馬 (@rehamame) January 20, 2018
金児さん曰く、
- 転倒したことを想定した起き上がり
- 本当に転倒した時の起き上がり
とは、同じ環境でも全然違う。と。
在宅では転倒に対応できないことが本当に問題になるようです。
セミナーでの1コマ。
「外出訓練のポイントは?」
↓
「《外出訓練→そのまま患者さん外泊→翌日に療法士が訪問し、そのまま外出訓練》で、患者さんの生活がより見えると思います。患者さんが自宅でどうだったかを、自宅で患者さんからフィードバックもらえるのは大きい!」
— 喜多一馬 (@rehamame) January 20, 2018
在宅と病院は全然違う…違うからこそ近づけていく必要がある。
最近では外出訓練として、病院に居ながらでも在宅で理学療法を展開出来ます。私は積極的に行っていくべきと思っています。
上記ツイートの外出訓練のアイデアは学会発表もしたものです、是非ともやってみてください。
訪問リハセラピストとしてレベルアップするために

私・金児さん、そして静岡の杉浦さん。
この三人で、訪問リハセラピストがレベルアップするのに必要な知識を片っ端から学べるオンラインサロンを運営しています。
控えめに言ってもかなり良いオンラインサロンなので、是非ともチェックしてみてくださいね!
次回のセミナーは…
2018年2月14日(水)初学者でも安心!「パワーポイントでプレゼンテーション」セミナー!

かなり面白いセミナーになる予定です!
お楽しみに!