車椅子座位患者さんとのコミュニケーションで知っておきたい3つのポイント

stevepb / Pixabay

療法士として働いていると、車椅子に座る患者さんとは毎日関わります。病院勤務であれば、車椅子を押して、血圧を測って、立ち上がりや歩行練習をして…当たり前のように行っていることでしょう。さて、そんな時に少しの心遣いが出来れば、患者さんとの信頼関係がぐっと高まるものです。この記事では、車椅子座位の患者さんとコミュニケーションを取るときに知っておきたい基本的な3つのポイントを紹介します。

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1.会話をする際

必ず会話はしゃがんだ姿勢で

患者さんとの視線(アイコンタクト)は重要だ!ということは、どの療法士でも知っている当たり前の事です。患者さんと話す時は、目線を合わせて、高さは同じもしくは下から見るようにする。ですよね?こんなこと、誰でも知っています。さて、では、周りのスタッフが車椅子座位の患者さんとの関わる際に、どのような姿勢をとっているか観察してみてください。意外にもこの常識が行われてない事が多いものです。「○○さん、血圧測りますよ~」と言いながら、療法士は立位で計測していることはないでしょうか?「はい、こちらのベッドに移りましょう」と上から見下ろすように伝えていないでしょうか?

もう一度自分を振り返ってみましょう。話しかける時には必ずこちらが少ししゃがんだ姿勢をとり、そこから視線を送るようにしてください。「次に移乗介助するからイチイチ面倒…」と思うでしょうが、その度にこちらが立ち座りすればいいだけです。一瞬の事です。実際、患者さんに「立って話すのと、しゃがんで話すのは違いますか?」と聞いてみたところ「そりゃ~全然違うよ!」と、どの患者さんも言います。小さなことからコツコツと…ではありませんが、細かい心遣いが患者さんの気持ちにも影響を与えます。

2.車椅子を押す際

声で誘導しよう

車椅子に乗り、誰かに押してもらったことがある人は知っているでしょう。『意外と怖いんです!!』時間がないとき・若くて元気もりもりの療法士がすごい勢いで車椅子を押しているのを見かけることがありますが、慣れていない患者さんでは行わない方が良いでしょう。もちろん、車椅子座位に慣れている人でも、座位保持がうまく出来ない人・認知症などで状況把握が出来ていない人にとっては押されるのが怖い人もいます。また車椅子を押していると患者さんと療法士の目は合わないものです。「1.」で述べたように視線を合わせることが出来ません。よくよく考えてみると、車椅子を押している時はコミュニケーションするのに不利な状況であると言えるでしょう。

そこで車椅子を押す時には「バックしますね~!」「前に進みますよ!」などの声掛けを丁寧に行うようにしましょう。どのように動かされるかを説明されるだけでも安心して座っていられるものです。

また、片手で車椅子を押し、もう片方の手でそっと肩を触れるというテクニックもあります。これによって、こちらが後ろにいることが患者さんにもしっかりと伝わりますし、何かあっても大丈夫だよと安心感を与えることが出来ます。ちょっとした心遣いですが、これも意外にも良い影響を与えます。ちなみに認知症患者へのコミュニケーションであるユマニチュードの手技です。詳しく知りたい方はこちらの書籍をご覧ください↓

3.ブレーキやフットレストを管理する際

しっかり自己管理、しっかりフィードバックを

最後は、認知症や脳卒中などの患者さんがブレーキやフットレストを管理出来ないことに着目してみます。自己管理出来ないことって、よく問題として挙げられますよね。ブレーキをかけないまま、フットレストをそのまま…こんな状態で移乗するから危なっかしくて、自立度を上げられない!なんて非常に多いものです。

ブレーキやフットレストが自己管理出来るようになるために一つ考えておきたいのは、自分で管理する習慣をつけることです。療法士がリハビリの時はやってくれる…なんて環境を作ってしまっては管理出来るようになるのを遠ざけてしまいます。少し面倒で時間がかかってしまうかもしれませんが「自分でやってくださいね」と声掛けするのを習慣化するようにしましょう。

そして大切なのはここからです。自分でやったことをちゃんとフィードバックしてください、しかもポジティブに。

  • ブレーキOKですね!いいですね!
  • いつも自分でやってもらってありがとうございます!
  • ちゃんと面倒くさがらずにやってますね!

何でもかまいません。「ちゃんとブレーキしてよかった~」と思ってもらいましょう。「ブレーキしなくても別にいいや~」とは思わせないようにしましょう。正しい行動を正しく強化すれば、必ずやってくれるようになってくれます。なかなか自己管理が難しい人ほど、しっかりとフィードバックをするようにしましょう。ちなみにこれは応用行動分析学を理学療法に応用したものです。こちらの書籍を参考に、筆者は考えています↓。

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